赤字国債「発行するしかないでしょう」
―― 現金+商品券で24兆円かかります。よく出てくるのが財源論ですが、やはり赤字国債でしょうか。
竹内: 発行するしかないでしょう。24兆円出しても税収でプラスになってくる部分もあるし、10年債だったら2兆4000億。まだデフレを完全に脱し切れておらず、需要を与えないといけないと思いますね。僕は大丈夫だと思うんですよ。そのくらいのことは。目先の小さな財政再建にこだわらないほうがいいと思いますね。
―― プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化目標達成を先送りすることになりますね。
竹内: 何十年もかけてこうした財政になってきたのだから、一気に清算しようとしたら本当に破壊、破滅してしまいます。やはり税収を増やしていかないといけないと思います。そしてデフレからインフレに脱却していくという風になれば、景気が上がってくる段階だから、そこで増税すればいい。だから増税する時期は非常に難しいんですよ。
―― 東京五輪、パラリンピックの延期が発表されました。見込んでいた「五輪需要」が2020年についてはなくなってしまいますが、経済対策にその分を積み増す必要はありますか。
竹内: 可能性はあるでしょうね。しかし、ずれるだけですからね。尻上がりに(景気が)良くなってくる可能性もあります。
―― 「中止」ではないので、需要の喚起が後に延びただけ、ということでしょうか。
竹内: そういう考え方もあります。しかし、しばらく苦しいことは事実でしょうね。
―― ここ1年の状況を見て、追加の対策が必要になるかもしれませんね。
竹内: そうです。
竹内譲さん プロフィール
たけうち・ゆずる
衆院議員、公明党外交部会長、税制調査会事務局長。1958年京都市生まれ。京都大学法学部卒。三和銀行(現・三菱UFJ銀行)勤務を経て93年に衆院旧京都1区から出馬し、初当選。99年から2005年にかけて京都市議を務めた後、09年に比例近畿ブロックから衆院議員に再当選。通算で現在5期目。著書に「Japanese Politics One Politician's Perspective」(文芸社)。
新たな経済対策は、消費税の一時的ゼロ、もしくはそれに匹敵する10ポイント還元、あるいは全ての国民に1人当たり10万円の給付と、それと抱き合せで何にでも使える25%のプレミアム付き商品券の発行などを検討すべきだ。対象者を限定するのは、自治体の手間と時間、コストが大きく望ましくない。 pic.twitter.com/76AQucNbMd
— 竹内 譲〈公明党・衆議院議員〉 (@takeuchi_yuzuru) March 24, 2020