「強力な対策を今すぐに始めるべきです」「批判を恐れず、勇気を振り絞って5つの提言をします」ーー。京都大の山中伸弥教授は2020年3月31日、自身の公式サイトで新型コロナウイルスをめぐる提言を示した。
国や自治体の対応が「急速にペースダウン」しているとの危機感から、「国民への協力要請と適切な補償」などを訴える。
コロナ禍は「長いマラソン」
山中氏は3月中旬、新型コロナの感染拡大を受け、個人サイトを開設した。公衆衛生や感染症は専門ではないが、「医学研究者として何かできないかと考え、情報発信を始めることにしました」とサイトにつづっている。
サイトのトップページには、大きな文字で「新型コロナウイルスとの闘いは短距離走ではありません。1年は続く可能性のある長いマラソンです」と持論を述べ、「日本は2月末の安倍首相の号令により多くの国に先駆けてスタートダッシュを切りました。しかし最近、急速にペースダウンしています」と警鐘を鳴らす。
3月31日には、「批判を恐れず、勇気を振り絞って5つの提言をします」として、国などに▽今すぐ強力な対策を開始する▽感染者の症状に応じた受入れ体制の整備▽徹底的な検査(提言2の実行が前提)▽国民への協力要請と適切な補償▽ワクチンと治療薬の開発に集中投資をーーの5項目を求めた。