歌手の浜崎あゆみさん(41)の自伝的小説『M 愛すべき人がいて』(幻冬舎・小松成美著)を実写化する同名ドラマについての概要が2020年3月30日に発表され、視聴者の間で話題になっている。
同ドラマはテレビ朝日系で4月18日から毎週土曜日に放送。1998年4月8日にデビューし、「平成の歌姫」として大活躍することになる浜崎さんの「立身出世物語」を描く同ドラマには、浜崎さん役(作中ではアユ)を歌手の安斉かれんさん(20)が主演。
また、浜崎さんを発掘したエイベックスの松浦勝人会長(作中当時は専務)役に俳優の三浦翔平さん(31)が起用されるなど注目を集めているが、今回発表されたドラマの概要では、それとは別の要素に対しても視聴者が関心を寄せているのだ。
「EZ DO DANCE」に「BOY MEETS GIRLS」とは!
ドラマは浜崎さんがデビューする前の90年代前半から物語が始まるとされているが、今回明らかになった概要を見てみると、同ドラマには、当時の流行を再現すべく、作中で「EZ DO DANCE」「BOY MEETS GIRLS」をカバーする「USG」という5人組ユニットが登場するという。
また、これとは別に3人組ユニット「OTF」なるユニットも登場するというが、今回発表されたドラマの新ビジュアルを見ると、当時主流だった8センチシングル風に「出逢った頃のように」との文字があることが分かる。 さらに「冴木真希」なる女性歌手も登場するが、こちらのビジュアルには「恋心」――。
今回報じられたドラマの概要では、これらの要素は「実在のアーティストのオマージュ」などと記されているだけだが、前述の状況から判断すると、「USG」は「trf」の、「OTF」は「Every Little Thing」(ELT)、「冴木真希」は「相川七瀬」と、この時期に活躍したアーティストらオマージュであることは明らかだろう(言うまでもないが、これらのアーティストはいずれもエイベックス所属である)。
実際、これらのビジュアルは当時のジャケットに、かなり近いデザインに仕上げられている。 このため、これらの情報を目にした視聴者からは、ツイッター上を中心に「4月ドラマ楽しみすぎる 浜崎あゆみ=青春真っ只中だった私は、楽しみでしかない」といった声が続々と上がる事態となっている。
オマージュ部分も丁寧な描写、期待できそう?
最近はドラマでも、比較的近い時代の文化へのオマージュを盛り込み、視聴者の懐かしさを誘うヒット作が相次いでいる。ドラマでは忠実に再現すべき浜崎さんはもちろん、それ以外の要素においても「オマージュ」が盛りだくさんとなることが想定されるわけであり、当時を懐かしむ視聴者、とりわけ、エイベックスのファンにとってはたまらない内容になりそうだ。
しかし、その一方で、「何がOTFだよ。『出逢った頃のように』を汚さないで」と反発する声が上がっているのも事実。確かに、オマージュというものは雑に行われてしまえば元の作品や人物のファンからは反発を買いがちだ。
ただ、その心配はないのではないだろうか。というのは、今回のドラマはエイベックスを代表する歌手である浜崎さんが主人公のドラマである。今回のオマージュも含め、エイベックスとしても相当力が入っていることがうかがえ、安心して見ていられるものになるのではないだろうか。
ちなみに、主演が発表された2月29日、安斉さんと三浦さんが並んで写るキービジュアルが公開されたが、これも浜崎さんが2001年3月28日に発売したベストアルバム「A BEST」のジャケットを思わせるものであるため、オマージュを多用する作戦はこの時点ですでに始まっていた模様。ドラマ放送開始後は、何がどれのオマージュなのかを考えつつドラマを楽しむことができそうだ。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)