プロ野球の阪神は2020年3月30日、球団の緊急役員会を開き、チームの活動停止期間を継続することを決定した。球団は当初、4月1日まで活動を停止する方針だったが、これをさらに1週間程度延長する。
阪神からは、藤浪晋太郎投手(25)、伊藤隼太外野手(30)、長坂拳弥捕手(25)の3選手に新型コロナウイルスの感染が確認されている。
練習再開は早くとも4月9日以降に
チームから3人のウイルス感染者が出たことで現在、監督、コーチをはじめ選手、スタッフは原則自宅待機となっている。予定では4月2日から練習を再開することになっていたが、チーム内の濃厚接触を避けるため活動停止期間の延長を決定。活動再開は早くて4月9日以降となる見通しで、球団はこの期間中、不要不急の外出を控えるよう指示を出した。
活動停止期間の延期の流れは他球団にもおよび、多くの球団が3月末から4月6日までの間、全体練習を中止している。阪神から出たウイルス感染者の影響を大きく受ける中日の与田剛監督(54)は、練習の中止、再開の時期に関して「12球団で考え方を統一してくれた方がいい」と持論を述べ、開幕へ向けて12球団が同じ条件のもと進むことを望んだ。
今回の阪神のウイルス感染問題は、プロ野球の公式戦開幕にも影響を及ぼしかねない。阪神は選手のPCR検査、陽性反応が判明した時の実名公表など専門家の提言に沿って対処してきたが、一方で選手の外出については選手に自粛を呼びかけるにとどまり、球界関係者から管理体制の「甘さ」を指摘されている。
他球団との情報共有は...
さらに選手への聞き取り調査も十分だったとはいえず、7人の選手が参加した3月14日の食事会の参加人数も不明確だ。当初の発表では、食事会には選手7人と社外5人の12人が参加したとされたが後日、12人以上が参加した可能性があると修正。食事会に20代女性が参加していたことも行政による発表で発覚するなど情報発信で後手に回っている。
現在、ウイルスに感染した3選手は入院中で退院のメドは立っていない。食事会に参加した残る4選手はウイルス感染の兆候が見られず、PCR検査の予定はないという。球団はこの4選手についてPCR検査をしていないため実名の公表を避けており、他球団との情報共有もなされていないようだ。
ウイルスの感染が広がる中、10人を超える食事会に参加した選手、そして管理体制の甘さを露呈した球団。揚塩健治球団社長(59)は27日に会見を開いて謝罪と反省の言葉を口にした。その後、当初の発表と異なる新たな情報が出てきたが、球団は食事会に参加した選手へのペナルティーの有無については言及しておらず、残り4選手の実名公表がないまま幕引きとなる可能性が出てきた。