投資先の新たな破綻も判明
SBGは格下げを受け、「誤った理解と憶測に基づく」と批判。格付けは基本的に債券発行などの際に必要で、発行する企業が格付け会社に依頼して評価してもらうもので、今回、SBGはムーディーズからの格付け取得を取り下げた。
この格下げ騒ぎで、25日に4000円を回復していたSBG株は、26日は一時、前日比462円(11%)安の3708円まで下落(終値は3778円)し、27日の終値は109円(3%)高の3887円と、不安定な動きが続いている。
5000億円の自社株買いの反応が思わしくないことから、一気に2.5兆円に拡大するという今回のSBGの動きについて、「孫会長の勝負師らしい一手」(大手紙経済部デスク)との声があり、そこには「現状の2割強の孫氏のSBG持ち分比率が、3~4割に上がる」という、エリオットへのけん制の意味合いもある。
新型コロナ・ショックはリーマン・ショック(2008年)を上回るとの声が日に日に強まっており、収束の見通しも全く立たない中、生産・消費という実体経済への大きなダメージを与えるのは避けられない。市場の混乱というだけでなく、SBGの投資先の経営にも打撃になり、27日にはSBGが19億ドル(約2000億円)を投じて筆頭株主になっている英国の衛星通信ベンチャー「ワンウェブ」が米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請し、破綻するニュースが飛び込むなど、今後、SBGの資産価値がどこまで痛むかも見通せない。アクティビスト、格付け会社との神経戦が続く中、SBGは当面、投資は抑え、財務の立て直しに比重を置くことになるとの見る向きが多い。