マイク・タイソンの「恩師」、コロナ禍で死去 アマ時代振り返り「最高の人間のひとりを失いました」

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   ボクシングの伝説的なカットマンのネルソン・クエバス氏が、2020年3月27日に亡くなったと複数の海外メディアが報じた。海外の専門メディア「ボクシング・シーン」によると、クエバス氏は新型コロナウイルスの合併症により亡くなった。享年80。

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2019年にニュージャージー州ボクシング殿堂入り

   クエバス氏は、1960年代中盤から70年代にかけてプロボクサーとして活躍。現役引退後は米ニューヨーク・ブロンクスにジムを開きトレーナーに転身した。モハメド・アリ、ロッキー・マルシアノなどのカットマンを務めたチッキー・フェラーラ氏に師事し、選手を指導するかたわらでカットマンとしての腕に磨きをかけた。

   クエバス氏はトレーナー、カットマンとして数多くの世界王者をサポートし、ボクシングの世界では伝説的なカットマンとして知られる。2019年には、ボクシング界におけるクエバス氏の長年の功績が認められ、米ニュージャージー州のボクシング殿堂入りを果たしている。

   また、クエバス氏はヘビー級の元世界統一王者マイク・タイソン(米国)とも深い絆で結ばれていた。クエバス氏はタイソンの師匠であるカス・ダマト氏と親交があり、タイソンはアマチュア時代にクエバス氏が主宰するジムでトレーニングを積んだという。

「彼と一緒にいたことは、私の人生の最高の時間でした」

   生前、クエバス氏は米国の専門メディアの取材に対して、タイソンとの出会いを次のように語っていた。

「私は彼(タイソン)が13歳の時から知っていました。初めて彼に会った時、カス(カス・ダマト)は彼が世界チャンピオンになると私に言った。彼はとても小さくぽっちゃりしていたので、彼が世界チャンピオンになるために必要なものを持っているかどうか分かりませんでした。その上、彼は恥ずかしがり屋でいい子だったから」

   アマチュア時代の幼きタイソンにアドバイスを送り続けたというクエバス氏。「恩師」の訃報に関して、タイソンは29日に自身のツイッターを更新し、次のようにコメントを投稿した。

「私たちはボクシングの世界で最高の人間のひとりを失いました。ネルソン・クエバスはコロナウイルスの合併症で亡くなりました。私のアマチュアのキャリアにおいて、彼と一緒にいたことは、私の人生の最高の時間でした」
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