お笑い芸人の志村けんさん(70)の死去のニュースが駆け巡った2020年3月30日午前の日本列島。国民的お笑い芸人の訃報を受け、ネット上では志村さんが出演した数々の番組の名前を出しつつ、その死を悼む声がネット上に続出している。そんな中、ひときわ目を引くのが、「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」(TBS系)についての話題だ。
同番組は1986年1月から1992年3月まで放送。志村さんと加藤茶さん(77)がコンビを組み、多数のコントを放送して視聴者の人気を博した番組だが、番組中にはコントとは一線を画したコーナーがあった。それは、「視聴者投稿ビデオ」だ。
発案者は志村さんだった
そのタイトルは「おもしろビデオコーナー」。同コーナーの発案者は志村さんで、当時、普及が始まったばかりの家庭用ビデオカメラを使って視聴者が自ら笑いを狙って撮影した動画、または、コミカルに撮影できてしまった映像が紹介されていた。同コーナーは視聴者から絶大な人気を博したほか、2013年にはフランスで開かれた「世界のテレビを変えた50作」に出品され、その1つに選出されるなど、そのクオリティーの高さでも知られる。当時の報道を振り返るべく、同年4月2日の産経新聞(東京朝刊)を見てみると、
「『おもしろビデオコーナー』は、米ABCテレビにフォーマット販売され、ABCはその米国版を1989年から放送中。500回を超える長寿番組となり、100カ国以上に輸出されて世界的な『視聴者ビデオ投稿番組』ブームのきっかけを作った。それが今回、"元祖"に当たる同コーナーが『視聴者投稿ビデオを根付かせた』として選出された理由となった」
と、その功績を讃えている。