毎日新聞は2020年3月29日、ウェブ版に28日掲載した記事「感染者の確認ない鳥取・島根 外出自粛の都市部から観光客も 新型コロナ」を削除したとサイトなどで発表した。記事をめぐっては、公開後、SNS上で批判の声も出ていた。
新型コロナ感染ゼロで「隠れた人気」と紹介
問題の記事は28日、「『感染者がいない場所に逃げてきた』鳥取・島根が隠れた人気に 新型コロナで」の見出しで公開された。
鳥取・島根の両県では29日までのところ、新型コロナウイルス感染者が確認されていない。こうしたことから、都市部から「安全」なイメージのある両県を訪れる観光客もいる、として、旅行者や地元関係者の談話などを掲載していた。
とはいえ、掲載された28日は東京都などが呼び掛けた「週末の外出自粛」の初日だ。新型コロナウイルスの拡散が危惧される状況で、こうした記事を掲載することに、ツイッターなどSNSでは懸念の声が続出した。地元住民とみられるアカウントからも「来ないでください」といった声が相次いだほか、毎日新聞の現職記者からも、否定的なツイートが出た。
その後、見出しや記事内容が変更されたものの、批判の声は止まず。29日15時過ぎ、
「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請がある中で、地方への旅行を勧めるように取られかねない記事内容と見出しでした。おわびして当該記事を削除します」
として、謝罪ともに記事は削除された。