武志の「ナレ死」が受け入れられたワケ 視聴者が求めた「スカーレットらしさ」

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   2020年3月28日、女優の戸田恵梨香さん主演の連続テレビ小説「スカーレット」(NHK)が最終回を迎えた。女性陶芸家・喜美子の人生を描いた物語で、朝の放送から関連ワードが次々とツイッターでトレンドワードに入っている。

   そんな中、ひときわ注目を集めているのが「ナレ死」という言葉だ。

   「ナレ死」は登場人物の死がナレーションのみで語られることを指し、今回は俳優の伊藤健太郎さん演じる、喜美子の息子・武志の死がそれにあたる。武志は白血病を患っており、最終話で亡くなるのか、助かるのか、そのシーンがどのように描かれるのか、多くの人が関心を寄せていた。

  • 最終話で抱き合う喜美子と武志(画像はスカーレット公式ツイッターより)
    最終話で抱き合う喜美子と武志(画像はスカーレット公式ツイッターより)
  • 最終話で抱き合う喜美子と武志(画像はスカーレット公式ツイッターより)

「今まで積み上げてきたから」自然との声

   最終話では、喜美子と武志が陶芸工房で抱き合う場面が、武志が登場する最後のシーンとなった。喜美子がおもむろに「ギューしたろか?」と声をかけ、戸惑う武志を抱きしめる。武志は抱きしめられながら「幸せや」とつぶやき、喜美子も幸せを胸に刻む。

   そして場面は2年後へと切り替わり、ナレーションが入る。

「武志は26歳の誕生日を前にして旅立ちました」

   続けて映し出されたのは武志の作品。登場人物たちと生前の武志をしのびながらも、穏やかに生きる喜美子の日常が再び描かれた。

   主人公の息子が「ナレ死」となったことは、ネット上で反響を呼んだ。ツイッターでは、「まさかのナレ死」「あっけなくナレ死とは」と驚く声がある一方、

「怒られるかもしれないけど、武志のナレ死のシーン好きだな...なんか最期まで幸せに日常を生きたんだろうなって感じがして」
「批判されがちなナレ死なのに、無理なくこんなに自然なのは、今まで積み上げてきたからなんだよね」
「ナレ死だからこそ、喪失の後に続く生活、生き続ける尊さがすごく丁寧に描けてると思うの」

といった好意的な意見も多くみられる。

   スカーレットに対しては「死よりも生を描く作品」といった声もあがっている。それは武志の死後に、「武志の作品は生きています」というナレーションが入っていることからも伺える。多くの視聴者は「ナレ死」も含め、日常を丁寧に描いた「スカーレットらしい」最終話と受け止めたようだ。

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