延期が決まった東京五輪だが、このような大規模イベントではしばしば出版業界からイベントに関わる「特需本」が発行される。
2020年7月24日に開会式を迎える予定だった東京五輪でも、既にいくつかの書籍が出版予定で発行日まで決まっていた。それらはどうなるのか。「お蔵入り」となってしまうのか――。
森喜朗氏の文庫本は「予定通り」
ネット通販「アマゾン」を見ると、東京五輪を見込んでいた書籍が3月27日現在で複数見つかる。例えばスポーツキャスターの松岡修造さんの『人生が変わる!東京五輪を1000%楽しむ本』(宝島社)で、概要を見ると松岡さんがオリンピック・パラリンピックの全55種競技のルール・みどころなどを解説する内容になっている。
合計224ページとかなりの分量で、空手・スケートボード・ゴールボール(パラリンピック)・ボッチャ(パラリンピック)など、一般ファンにはなじみの薄い競技も紹介。大会約1か月前の6月10日が発売日になっていた。
また2017年に発売された単行本の文庫本化ではあるが、大会組織委の森喜朗会長の著書『遺書 東京五輪への覚悟』が幻冬舎文庫から4月8日に発売予定だった。これらは予定通り発刊されるのか。
宝島社の担当者に3月27日に取材すると、松岡さんの「人生が変わる!東京五輪を1000%楽しむ本」は担当者は「発売を延期する方向で進めている」と答えている。
一方、森氏の『遺書 東京五輪への覚悟』は、幻冬舎によれば予定通り発刊予定とのことである。