プロ野球の阪神タイガースは2020年3月27日、藤浪晋太郎、長坂拳弥、伊藤隼太の3選手に新型コロナウイルスの陽性反応が確認されたと発表した。
各報道によれば、藤浪選手と長坂選手は嗅覚障害を、伊藤選手は味覚と嗅覚の障害を訴えている。
海外で症例報告相次ぐ
政府の専門家会議では、国内での新型コロナウイルスの症状を分析すると、「発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多い」としている。
ただし海外では前述の3選手のように、症状に嗅覚・味覚の異常も確認されている。
米国の耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は26日、新型コロナウイルスの感染者が味覚異常を伴う嗅覚障害を訴えるケースが急増していると報告。慢性鼻副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などでない場合、感染の可能性があるとする。
英国の耳鼻咽喉科学会は21日、ドイツでは感染者の3分の2以上が嗅覚障害を訴えていると発表した。
日本橋浜町耳鼻咽喉科の許芳行院長は27日、J-CASTニュースの取材に、「嗅覚障害であれば、原因として最も多いのは慢性副鼻腔炎ですが、次いで多いのが風邪のウイルスによる神経へのダメージです。新型コロナウイルスは風邪の一種なので、そのウイルスがダメージを与える可能性は否定できません」と話す。
ただし、許院長は「個人的な見解」と前置きした上で、嗅覚異常を感じたら「まずはご自宅で経過をみていただいて、その後肺炎の症状、熱が出たりやせきが続くというのであれば、最寄りの保健所などに相談していただいてというのがよいかと思います」と冷静な対応を求めた。
嗅覚異常がそれでも1週間以上続くのであれば、はじめて耳鼻科などの受診を検討することを勧める。
英の耳鼻咽喉科学会も前述の報告で、嗅覚障害以外の症状がない場合、7日間の自主隔離を推奨している。