「五輪予選」めぐり混乱続く 欧州ボクシングで出場者陽性、日本でも「外出自粛」余波が

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   2020東京五輪のボクシング欧州予選に出場したトルコ人選手とヘッドコーチが、新型コロナウイルス検査で陽性だったと英紙「ガーディアン」が2020年3月25日、報じた。欧州予選は英ロンドンで3月14日に開幕したが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、16日に中断された。欧州予選には40か国から約350人の選手が参加していた。

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日本では競泳の日本選手権が急きょ中止に

   記事によると、欧州予選に出場したトルコ人選手2人とヘッドコーチがトルコに帰国後、新型コロナウイルス検査を受け陽性反応が確認された。トルコのボクシング連盟会長で欧州ボクシング連盟の副会長でもあるエユプ・ゴズゲック氏は、「残念なことに私たちのチームの3人が陽性反応を示しています」と語っている。

   ゴズゲック氏は、大会を開催するにあたり選手、関係者が宿泊するホテル、試合会場などで医療上の十分な予防策がなかったとして主催者を強く批判している。大会を許可した国際オリンピック委員会(IOC)および英国政府にも疑問を投げかけた。また、ゴズゲック氏によると、ウイルスに感染した3人は現在、体調は良好な状態だという。

   日本でも五輪予選を巡って混乱が起きている。日本水泳連盟は25日の常務理事会で五輪代表選考会を兼ねた日本選手権(4月2日~東京アクアティクスセンター)の開催を確認。新型コロナウイルスの感染が広がる中での決定に、選手からSNSで反発の声が上がった。さらに小池都知事から「不要不急の外出自粛要請」が出たこともあり日本水連は25日午後10時頃に急きょ、大会の中止を発表した。

IOCバッハ会長は「夏を含めてすべての選択肢がある」

   すでに男女14階級のうち13階級が代表に内定している柔道は、最終選考会となる全日本選抜体重別選手権を4月4日から福岡国際センターで無観客開催する。予定通りに実施されれば14階級が出揃うことになるが、一方で全日本柔道連盟は代表再選考の可能性を否定していない。1年程度の延期が決まったことで、内定している代表が白紙に戻る可能性もあり、ここでも新型コロナウイルスの影響が暗い影を落とす。

   東京五輪の1年程度の延期が決定したことにより、各競技団体が五輪予選のスケジュール調整に追われるなか、IOCのトーマス・バッハ会長は25日、東京五輪の新たな日程について「夏を含めてすべての選択肢がある」と話した。開催時期に幅を持たせるバッハ会長の発言が、現場をより混乱させているという。

   東京五輪に選手を送り出す競技団体の関係者は「代表がまだ決まっていない団体は、予選の日程をいつに設定していいのか困惑している。正式に日程が決まらないと、予選のスケジュールも決められない。代表が決まった団体も1年のスライドなら改めて代表選考をするところも出てくるでしょう。延期が決まったのは良いことですが、その先を早く決めていただかないと動きようがない」と話した。

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