今後の展開は?
ただ、2020年8月期は韓国の不買運動や香港の民主化運動の影響で第1四半期(2019年9~11月)決算=2020年1月9日発表=からつまずいた。海外ユニクロの売上高は前年同期比3.6%減の2807億円、営業利益は28.0%減の378億円となり、営業利益は国内ユニクロ(385億円)を下回った。これを受けて2020年8月期の売上高、営業利益、税引前利益、純利益の業績予想をいずれも下方修正した。営業利益は従来予想より300億円減の2450億円(前期比4.9%減)と見込んでいる。
もともとかげっていたところに新型コロナウイルスの影響に見舞われたのが現状だ。証券各社によるファストリの目標株価の引き下げが相次いでおり、3月12日付で68000円から56000円に下げた大和証券は「利益減額幅は大きく短期的には株価調整リスクは残るとみる」とした。ただ、3月5日付で67000円から66000円に下げたSMBC日興証券は投資評価を3段階の真ん中の「2」から最上位の「1」に格上げした。一時的に新型コロナウイルスの影響はむろんあるものの、海外事業の将来の成長力を鑑みれば小売りセクター内で相対的に上値の余地が拡大しているという。
いずれにせよ、1月9日時点の業績予想からの下方修正は避けられないとみられている。4月発表の中間決算でファストリがどんな見方を示すのかに市場の関心が高まっている。