新型コロナに振り回されるユニクロ 海外事業の成長がかえって...

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    ユニクロを展開するファーストリテイリングが、海外ユニクロ事業の逆境に直面している。

   海外ユニクロは2019年8月期に初めて売上高、営業利益ともに国内ユニクロを上回り、文字通りの主力事業。縮小傾向にある国内市場と違って成長の余地が大きいことも投資家には魅力だったが、新型コロナウイルスの猛威のもとで期待がしぼみ、市場全体がコロナショックで沈み込む中、ファストリの株価も約2年ぶりの安値を付けた。

  • 市場全体が混乱続くが…(イメージ)
    市場全体が混乱続くが…(イメージ)
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株価は乱高下

   ファストリの株価は3月6日から19日まで10営業日連続で下落し、一時、39910円まで下げ、4万円の大台を割った。連休明け23日は前週末比1.4%(560円)高の40750円と反発し、11営業日ぶりのプラスになり、24、25日は市場全体が上昇したこともあって大きく値上がりし、50000円を回復したが、先行きはなお不透明。新型コロナウイルスに振り回されている状況だ。19日までの10日間でファストリは27.0%(14850円)のきつい下げとなり、同じ期間の日経平均株価の下落率(22.4%)を上回った。

   「10日連続下げ」の要因の一つに、17日に新型コロナウイルスの影響で米国のユニクロ全50店を一時的に休業すると発表したことがある。中国では休業した店舗の再開が始まっているとはいえ依然として休業店舗があるなか、欧州などでも休業が相次いでおり、海外ユニクロの不透明感が強まっている。

   ここで振り返っておくと、2019年8月期連結決算において、海外ユニクロ事業の営業利益は1389億円と、初めて通期で国内ユニクロ事業(1024億円)を超えた。売上高は2018年8月期に初めて海外ユニクロが国内ユニクロを抜いており、2019年8月期はその差を広げた。

   その原動力はファストリが「グレーターチャイナ」と呼ぶ中国大陸・香港・台湾ではあるが、「その他アジア・オセアニア」「北米・欧州」も存在感は小さくない。言わばアジアの成長力を取り込みつつ、かつて苦戦した北米や欧州でもブランド力を磨いており、柳井正会長兼社長が目指す「世界一」はもはや絵空事とは言えなくなっている。

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