国民民主党の玉木雄一郎代表は2020年3月25日の定例会見で、新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型インフル特措法)の改正で発出が可能になった「緊急事態宣言」について、「本格的に検討すべき」だと述べた。
念頭にあるのが、西村康稔経済再生相や大野元裕知事の自粛要請にもかかわらず、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市)で3月22日、格闘技イベント「K-1 WORLD GP」が開催された問題だ。緊急事態宣言で法的根拠がともなった自粛要請をすることと、然るべき補償をセットで行うことを求めた。
「オーバーシュート発生なら医療提供体制崩壊は明らか」
3月19日付の政府の専門家会議の報告書では、今後の見通しについて
「今後、地域において、感染源(リンク)が分からない患者数が継続的に増加し、こうした地域が全国に拡大すれば、どこかの地域を発端として、発的な感染拡大を伴う大規模流行につながりかねない」
など説明している。玉木氏はこの点を念頭に、「『自粛疲れ』」で危機感が緩んでいるのでは」などと指摘。緊急事態宣言について、次のように述べた。
「五輪があるからということで遠慮していたわけではないと思うが、そうした危機的なオーバーシュート(爆発的患者急増)、それが起これば医療提供体制が崩壊するのは欧州の例を見れば明らか。緊急事態宣言の発出について本格的に検討すべきではないかと思う」
などと述べた。