組織委「26日に福島をスタートするという計画には変更がありません」
IOC(国際オリンピック委員会)は22日、東京五輪について延期を含めて検討すると発表。予定どおりの7月開催が揺らぎ、3月26日にJヴィレッジ(福島県)からのスタートが迫った聖火リレーについても、中止・延期論が熱を帯びる。
五輪組織委員会は23日に会見し、森喜朗会長は聖火リレー実施について、トーマス・バッハIOC会長から「お任せします」と一任されたことを説明。武藤敏郎事務総長は「26日に福島をスタートするという計画には変更がありません」と強調し、IOCの発表を受けて「実施形態をどうするか検討したい。中止は全く考えていません」と方針を述べた。
その「実施形態」をめぐってはさまざまな報道がある。感染拡大防止のため、無観客での開催に加え、そもそもなでしこジャパンの参加を見送る案を検討していると報じられたほか、トーチを持って走るリレーを取り止め、ランタンにつけた聖火を車で運ぶ形も浮上した。
いずれも正式決定されたものではないとはいえ、聖火リレーのスタートを切るなでしこジャパン、その中心メンバー2人が辞退。インターネット上では聖火リレーのムードが減退しており、ツイッターでは、
「聖火リレー辞退が一流アスリートの間で広がっていくのだろうな・・・」
「まだ全体の方針が確定してないだろうに。他のランナーに変な同調圧力かからない事を願う」
「聖火ランナー辞退を表明するアスリートが増えてきた」
など、辞退の連鎖が起きるのではないかとする声もあがっている。また、聖火ランナー本人が辞退を表明したことについて「本来ならアスリートや参加者を守るために中止の判断をするはずの組織が全く機能していない」と不安視する声もある。
五輪2大会のマラソンメダリストで現在IOC「スポーツと活動的社会委員会」委員の有森裕子氏は23日夕、ツイッターで、
「オリパラの延期が、多くの可能性をほぼ検討され決まるのに、人がどう考えても集まるであろう聖火リレーを予定通り開催する事に疑問に思う」
「オリパラの聖火は運べば良いものではなく、多くの関わる人達に希望や夢を感じ歓迎されるなかで運ばれて灯されるものではないのだろうか?」
と懸念をつづっている。
TBSが24日夕に報じたところでは、組織委は同日21時ごろにもう一度会見を開く。その直前には安倍晋三首相とバッハ氏の電話会談が行われる。NHKは20時ごろ、安倍首相がバッハ氏に「1年程度」の延期を提案する方針、と伝えた。