新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開催が危ぶまれている東京五輪・パラリンピック。日本政府をはじめ、国際オリンピック委員会(IOC)は、「予定通り」の開催を目指しているが、大会の延期や中止を求める声も勢いを増している。
2020年3月22日放送の「サンデージャポン」(TBS系)でも五輪開催の是非が話題にのぼり、出演者からは賛否両論の声があがった。
西川「確実に感染拡大する環境を作ってしまうのは危険」
同番組の卒業を決め、この日が最後の出演となった医師でタレントの西川史子さん(48)は、
「この夏は難しいんじゃないかなと思いますね」
と、通常通りの開催は厳しいのではとの見方だ。その理由を
「致死率が今日本で抑えられているのは、現場の努力でしかなくて、実際コロナの重篤な患者さんをみている医者の話を聞いたんですけど、肺が真っ白になって本当に働かなくなってしまうと」
「機械の台数も限られているし、それを使える医者も限られているし、病床数も限られていて、確実に感染が拡大するような環境っていうのをこの夏作ってしまうのはちょっと危険かな。命を救えなくなってしまうんじゃないかなと思います」
などと説明し、医師ならではの持論を展開した。
一方で、バルセロナ五輪の体操で銀メダリストを獲得した池谷幸雄さん(49)は、「選手の立場から言わせてもらうと」として、
「選手はその時期に合わせて調整しているわけですから、通常通りやるべきだと思うんですよね」
「選手は2020年のために生まれた時からいつオリンピックがあるのかって決まっちゃうわけですよ。4年に1回ですから。その年が狂ってしまうと厳しいですよね」
との、「通常通り」の開催が選手のためだとの意見を述べた。
杉村太蔵「通常通り開催したら日本選手は有利」
これを聞いた杉村太蔵さん(40)は、
「通常通り開催したら日本選手は有利じゃないかと思いますよ。日本の場合は練習できてるんですから」
と意見。そして、
「アメリカ、ヨーロッパ多くの国々では外出しちゃだめだよって状況ですから、4か月前に満足に練習できない、こういう状況下でも選手ファーストになるんですか?」
と池谷さんに投げかけた。これを聞いた池谷さんは、
「その国ごとに違いますけど、そこに合わせてる選手はなんとかして練習しているはずなんですよ。自宅でも。アスリートは絶対に休みはないので。基本的に何が起ころうと」
と回答。仮に延期することになった場合でも、延期幅が広がると問題が拡大するとの見方を示した。
「年内だったらそんなに変わらないと思います。これが1年になると、絶対に選手は変わっちゃう。そうすると、いろんな問題が起きてくると思う」
テリー伊藤「みんな勇気与えられないなら意味ない」
出演陣が様々な議論を展開する中、テリー伊藤さん(70)は、
「選手ファーストって言葉があるかもしれませんけど、国民が幸せになることが大前提だと思う」
と五輪開催の意義に言及しながら、
「みんなに勇気を与えられないんだったら、これは意味がないような気がする」「国民が不幸せになるんだったらこれは本末転倒」
などと主張した。
この日ゲストとして出演していた、元経済産業省の岸博幸さん(57)は、
「現段階で、選手の観点、経済の観点を考えると、予定通りやった方がいいんですよ。これは間違いない。ただ、感染が拡大している中で、やっぱり延期というのは現実味をおびてきている」
と発言。そして、
「悩ましいのが、オリンピックってスポーツという側面もあるけれど、ビッグビジネスなんですよ。これを延期する場合、契約を全部変えないといけない。問題は契約が全部ある程度まとまらないと、発表延期も決められない」
などと「延期」のハードルについて解説した。
結局、出演者の中でも議論はまとまらず、番組は次のコーナーに移った。