航空機のADS-Bを衛星で受信して地上に送る
1つの受信機がカバーできる範囲は半径250~450キロ程度。そのため、海の上や、人が入りにくい土地の上空を飛ぶ航空機はカバーしにくい傾向がある。例えば北朝鮮と中国を結ぶ路線では、北朝鮮上空の様子はフライトレーダーでは分からない。
フライトレーダーに表示される航空機のアイコンは黄色だったが、最近になってブルーのアイコンが加わった。2020年3月12日付のフライトレーダーのブログによると、衛星経由でADS-Bを受信した航空機がそれだ。16年には実験的に衛星経由のADS-B受信が行われたが、20年になって本格導入したという。
米スパイア・グローバル社が打ち上げた超小型衛星で航空機が出すADS-Bデータを受信し、それを地上に送る仕組みだ。ただ、衛星経由のデータは最大で10分の遅延があるといい、地上からADS-Bが受信できない場合にのみ、衛星経由のデータを利用する。「ネットワークにデータを送る衛星の数が増えれば、データの量も増えて遅延は少なくなるだろう」としている。
3月17日時点では、太平洋や大西洋上空で多くの「ブルー」アイコンの航空機が確認できる。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)