聖火は日本に届いたが... JOC理事からの「延期論」に山下会長は不快感

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   東京五輪の聖火を乗せた特別機が2020年3月20日午前、航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)に到着した。

   新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本オリンピック委員会(JOC)内部からも、公然と延期論が飛び出す中での聖火到着だ。JOCの山下泰裕会長は到着セレモニー前に報道陣の取材に応じ、発言について「きわめて残念」などと不快感を示した。

  • 「聖火リレーアンバサダー」を務める柔道の男子60キロ級で五輪3連覇を果たした野村忠宏さん(左)とレスリング女子55キロ級で五輪3連覇の吉田沙保里さん(右)。機内から聖火入りのランタンを受け取ってタラップを降りる演出になった
    「聖火リレーアンバサダー」を務める柔道の男子60キロ級で五輪3連覇を果たした野村忠宏さん(左)とレスリング女子55キロ級で五輪3連覇の吉田沙保里さん(右)。機内から聖火入りのランタンを受け取ってタラップを降りる演出になった
  • 日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長
    日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長
  • 航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)に到着した聖火輸送特別機
    航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)に到着した聖火輸送特別機
  • 航空自衛隊の飛行チーム「ブルーインパルス」がカラースモークを使ったパフォーマンスを行った
    航空自衛隊の飛行チーム「ブルーインパルス」がカラースモークを使ったパフォーマンスを行った
  • 「聖火リレーアンバサダー」を務める柔道の男子60キロ級で五輪3連覇を果たした野村忠宏さん(左)とレスリング女子55キロ級で五輪3連覇の吉田沙保里さん(右)。機内から聖火入りのランタンを受け取ってタラップを降りる演出になった
  • 日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長
  • 航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)に到着した聖火輸送特別機
  • 航空自衛隊の飛行チーム「ブルーインパルス」がカラースモークを使ったパフォーマンスを行った

同じ柔道の山口香氏「アスリートファーストでない」

   延期論を主張したのは、JOC理事でソウル五輪女子柔道銅メダリストの山口香氏。3月20日付の朝日新聞朝刊によると、同紙のインタビューに対して、

「アスリートが十分に練習できていない状況での開催は、アスリートファーストではない。延期すべき」

などと発言。3月27日に予定されているJOCの理事会でも、同様の主張を展開するという。

   山下氏は3月19日に開かれたアジア各国の五輪委員会と国際オリンピック委員会(IOC)との電話会議で、東京五輪の予定通りの開催について「全力を尽くす」と発言している。山口氏の発言への見解を求められた山下氏は、

「さまざまな考え方、意見があることは我々も理解している。そういった考え方を持つ人がいるのも当然だと思う」

と断った上で、発言への不快感を示した。

ギリシャの入国者隔離で、吉田さんら現地入りできず

「ただ一方で、IOCと日本政府、組織委員会、東京都、JOC、みんなで協力しながらできる限り安心・安全な形で、今、専門家等の意見も聞きながら、東京2020大会の開催に向けてみんなで力を尽くしていこう、というときに、そういう中の、JOCの中の人が、一個人の発言ではあっても、そういう発言をされるのは、きわめて残念であると思っている」
 

   山下氏は「中で議論する分にはいいが...」とも。JOC内で議論を提起する前にメディアに対して発言したことも問題視した。

 

   聖火を乗せた特別機は3月18日に羽田空港をアテネに向けて出発。本来ならば、「聖火リレーアンバサダー」を務める柔道の男子60キロ級で五輪3連覇を果たした野村忠宏さん(45)とレスリング女子55キロ級で五輪3連覇の吉田沙保里さん(34)らが現地で聖火を受け取り、聖火を持って飛行機を降りるはずだった。

   だが、ギリシャが入国者への隔離措置を始めたため、現地入りを断念。日本への到着セレモニーでは、2人が地上からタラップを上り、機内から聖火が入ったランタンを受け取ってタラップを降りるという「苦肉の策」となった。

    聖火の輸送は日本航空(JAL)と全日空(ANA)が共同で担当。JALが所有するボーイング787-8型機(登録番号JA837J)が特別機に衣替えされ、「JL2020」便として11時間30分かけてギリシャ・アテネから聖火を運び、9時36分に着陸した。

   セレモニーでは、航空自衛隊の飛行チーム「ブルーインパルス」がカラースモークを使って上空に五輪マークなどを描くパフォーマンスを披露。参加者からは歓声があがった。聖火リレーは、20日現在では、3月26日に福島県からスタートする予定だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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