東京五輪の聖火を乗せた特別機が2020年3月20日午前、航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)に到着した。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本オリンピック委員会(JOC)内部からも、公然と延期論が飛び出す中での聖火到着だ。JOCの山下泰裕会長は到着セレモニー前に報道陣の取材に応じ、発言について「きわめて残念」などと不快感を示した。
同じ柔道の山口香氏「アスリートファーストでない」
延期論を主張したのは、JOC理事でソウル五輪女子柔道銅メダリストの山口香氏。3月20日付の朝日新聞朝刊によると、同紙のインタビューに対して、
「アスリートが十分に練習できていない状況での開催は、アスリートファーストではない。延期すべき」
などと発言。3月27日に予定されているJOCの理事会でも、同様の主張を展開するという。
山下氏は3月19日に開かれたアジア各国の五輪委員会と国際オリンピック委員会(IOC)との電話会議で、東京五輪の予定通りの開催について「全力を尽くす」と発言している。山口氏の発言への見解を求められた山下氏は、
「さまざまな考え方、意見があることは我々も理解している。そういった考え方を持つ人がいるのも当然だと思う」
と断った上で、発言への不快感を示した。