近畿のJR西ダイヤ改正、注目すべき点は? 本領発揮は先になりそうだけど...

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   2020年3月14日、JRグループがダイヤ改正を行った。JR西日本(近畿エリア)では関空特急「はるか」の9両編成化や他線区での両数増加が目立つダイヤ改正となった。

   しかし、ある理由により、輸送力増強の効果が見えるのは少し先になりそうだ。今回はJR西日本(近畿エリア)のダイヤ改正について見ていきたい。

  • (3月14日のダイヤ改正でデビューした271系「はるか」)
    (3月14日のダイヤ改正でデビューした271系「はるか」)
  • (3月14日のダイヤ改正でデビューした271系「はるか」)

目玉となる「はるか」9両編成化

   昨年はおおさか東線(新大阪~久宝寺)の全通に沸いたJR西日本のダイヤ改正だったが、今年はどちらかというと地味な内容となった。

   その中で目玉と言えるのが京都方面、新大阪と関西空港を結ぶ特急「はるか」の9両編成化である。改正前まで「はるか」は6両編成と9両編成が混在していたが、今回のダイヤ改正で9両編成に統一された。9両編成化に伴い、JR西日本は増結用として271系を新造。従来からの281系と連結する形で運用を開始した。

   また、観光路線の土休日ダイヤの輸送力増強が目立ったダイヤでもあった。京都と奈良を結ぶ「みやこ路快速」は土休日ダイヤにおいて6両編成に統一。嵯峨野線(京都~園部)でも土休日ダイヤにおいて一部列車が8両編成になる。嵯峨野線の沿線には京都鉄道博物館や嵐山などの観光名所が点在し、嵯峨嵐山駅では嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車と接続する。この他にも大和路線や福知山線などで両数の増加や本数の調整が行われる。

いずれも外国人観光客が目立つ列車・路線

   先ほど紹介した「はるか」、「みやこ路快速」、嵯峨野線の改正にはある共通点がある。それは外国人観光客が目立つ列車、路線であることだ。たとえば土休日の日中に嵯峨野線に乗ると、乗客の半数近くが外国人観光客ということも珍しくなかった。JR西日本は多くの外国人観光客が利用する時間帯を狙って輸送力増強を行ったと考えられる。

   しかし、新型コロナウイルスの影響により外国人観光客は激減。3月14日に天王寺駅で「はるか」を見かけたが、車内は空いていた。しばらくは輸送力増強の効果を発揮する場面はなさそうだ。

   いずれにせよ、事が落ち着いたら再び多くの外国人観光客が来ることは十分に考えられる。今だからこそ「準備期間」と捉え、乗客が戻る日に備えるのも悪くはないだろう。

(フリーライター 新田浩之)

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