新型コロナウイルスの感染拡大を受け、公式戦の開幕が延期となったプロ野球は、2020年3月18日までに各球団が当面の練習試合の日程を発表した。当初公式戦の開幕を予定していた3月20日から4月5日までの計74試合の日程を組んだ。 日本野球機構(NPB)は最短で4月10日の開幕を目標としており、今後の状況を見極めながら準備を進めていく。
原監督は08年、12年とリーグ優勝
当初の予定ではプロ野球は3月20日が開幕だった。新型コロナウイルスの感染拡大により、NPBが目標とする4月10日に開幕を迎えられるか不透明な状況であるものの、多くのプロ野球ファンが開幕を待ちわびていることだろう。プロ野球の早期開幕を願いつつ、今シーズンのセ・リーグの展望をデータから占ってみた。
今年は4年に1度の夏季五輪イヤーである。プロ野球が2リーグ制になって以降、17大会の夏季五輪が開催された。セ・リーグで夏季五輪イヤーに最も強さを発揮するのが巨人である。これまでリーグ優勝9度(日本一5度)、2位と3位がそれぞれ4度ずつあり、夏季五輪イヤーで一度もBクラスを経験していない。勝率は.573に達し、圧倒的な強さを誇る。
原辰徳監督(61)は、監督として夏季五輪イヤーに2度のリーグ優勝を達成しており、2012年には日本一に輝いている。なかでも2008年の優勝は「メークレジェンド」と呼ばれ、語り継がれている。08年を振り返ると、オープン戦は今年同様に最下位に終わり、公式戦でも調子が上がらずスタートからつまずいた。7月8日の時点で首位阪神との差は13ゲーム。絶望的とみられた状況をひっくり返してリーグ優勝を飾った。
五輪イヤーに結果を残せていない球団は...
巨人の監督でいえば、長嶋茂雄終身名誉監督が夏季五輪イヤーで3度のリーグ優勝を達成している。「五輪通」として知られる長嶋氏は、夏季五輪イヤーに4度、チームの指揮を執り、1976年、1996年、2000年とリーグを制し、00年は日本一の座についた。原監督が今シーズン、リーグ優勝を果たせば、長嶋氏と並んで五輪イヤー「V3」となる。
夏季五輪イヤーに驚異的な強さを見せる巨人に対して、セ・リーグで結果を残せていないのがDeNA(大洋、横浜ベイ時代を含む)だ。夏季五輪イヤーでのリーグ優勝は1度のみで、6度の最下位はリーグワーストだ。また、ヤクルトも夏季五輪イヤーでの成績が芳しくない。夏季五輪イヤーの最下位は1度だけだが、4度のAクラスに対して、13度のBクラスを経験している。
今シーズンのセ・リーグは絶対的な強さを誇るチームが不在で混戦が予想される。リーグ連覇を狙う原巨人も先発陣の故障が相次ぎ、開幕ローテーションが固まっていないのが現状だ。そのような中で、若手の鍬原拓也投手(23)の好投や、昨シーズン不調に終わった中島宏之内野手(37)が好調をキープしているなどの明るい材料もある。ペナントレースは何が起こるか分からないが、夏季五輪イヤーのデータは原巨人の優位を支持している。