自民若手が消費税ゼロ提言、なぜ? 中心メンバー・安藤裕氏に「真意」聞いた

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   新型コロナウイルスの感染拡大にともなう「コロナ不況」が現実味を帯びる中、与野党から消費減税の可能性に言及する機会が増えてきた。

   そんな中で、「減税」にとどまらず、消費税率を「ゼロ」にすべきだとする提言を2020年3月11日に打ち出したのが、自民党の若手議員らによる議員連盟「日本の未来を考える勉強会」。この勉強会は、元々消費税率10%への引き上げに反対するなど「党内野党」ぶりを発揮してきた。勉強会中心メンバーの安藤裕衆院議員に、提言の狙いを聞いた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

  • 自民党の安藤裕衆院議員。若手議員らによる議員連盟「日本の未来を考える勉強会」の中心メンバーだ
    自民党の安藤裕衆院議員。若手議員らによる議員連盟「日本の未来を考える勉強会」の中心メンバーだ
  • 自民党の安藤裕衆院議員。若手議員らによる議員連盟「日本の未来を考える勉強会」の中心メンバーだ

まずは「廃業しないで下さい」というメッセージを

   ―― 内閣府が3月9日に発表した19年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値が、物価変動を除いた実質で前期比1.8%減、年率換算で7.1%減でした。これは新型コロナウイルスによる影響を含んでいないので、20年1~3月期は、さらに厳しい数字が出そうです。そういった中で発表された提言で、目玉は「消費税は当分の間軽減税率を0%とし、全品目軽減税率を適用すること」。5%への引き下げを唱える野党はいますが、あえて「0%」を打ち出した理由を教えてください。

安藤: 2017年に立ち上げた我々のグループ「日本の未来を考える勉強会」は、消費税率を10%にはするな、5%に減税するべきだと、ずっと言い続けてきたんですね。それでも全然日の目を見ずに、19年に10%になりました。それで御存知の通り「マイナス7.1」です。マイナス7.1に加えて新型コロナウイルスの影響が来るわけですから、5%に下げるくらいじゃとても足りない。もう0%にするくらいしないと日本経済の落ち込みを救うことは出来ないと思います。

   ―― 提言では減税のタイミングについて「6月を目指し、各種調整を速やかに行うこと」とあります。減税をめぐる議論では「システム改修はどうするんだ」という声もあります。

安藤: そういった指摘はツイッターにも寄せられますが、「それも全部国が出しますから」と、大変ですが急いで進めるべきです。そうしないと、時間がかかるうちに買い控えが進んでしまいます。

   ―― 政府が3月10日に打ち出した緊急対策では、中小・小規模事業者を支援するための「特別貸付制度」などを打ち出しています(編注:インタビューは3月17日に行われた)が、提言では「失われた粗利を100%補償する施策を講じること(特別融資だけでは不十分)」とうたっています。

安藤: 1兆6000億円の段取りをしたと言っても、それも結局は融資なので、いつかは返さなきゃいけない。コロナの先行きが見えず、いつ収束するかわからない中で、借金して事業を続ける決断をする人もいるとは思いますが、これ以上借りても返済する自信がないから、これを機会に辞めようと考える事業者も、ものすごく多いと思います。そうすると、コロナが終息した後に経済を再生させようとしても、やってくれる事業者が存在しないことがありえる。それと同時に、失業者が続出することもありえます。そういう状況になってしまったらどうしようもありませんから、まずは「廃業しないで下さい」というメッセージを出さないと...。政府が色々なイベント自粛をお願いして、それに対して国民の皆様が応えて、コロナが蔓延するのを防ごうと、みんなで意識して頑張っているわけです。それを「借金して後で返して」というのは、あまりにもひどい対応です。そこは国が責任もって、その分の損失は補償しないと、事業者や民間の人はかわいそうだと思います。

   ―― 提言の「100%補償する施策」は、フリーランスの人も対象になるのですか。

安藤: もちろん入ります。提言では「安心して休業できることは、有効な防疫対策にもなる」とうたっています。毎日仕事に行かないとその日のお給料が入らない、暮らせないという方が大勢いる。補償するということを言っておかないと、そういった方々が隠れて仕事に行ってしまうということが起こってしまいます。「安心してください。休んだ分政府がちゃんと補償しますから」というメッセージが大事だと考えています。

   ―― 経済対策としての「給付」を求める声もあります。

安藤: 給付だと貯蓄に回りますから、効果は相当減ると思います。全部が消費に回ればいいけど、そうはならないですからね。

   ―― 所得が低い人を選んで給付すべき、だという声もありますね。

安藤: 現金で給付するとなると、各地方自治体が最終的な事務をやらなければなりませんが、この状況ではパンクしかねません。
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