勢いを増す東京五輪「延期」の風 今度はIOC現職委員からも痛烈批判

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IOC委員に続いて組織委員会理事からも「延期」発言

   また、パウンド氏は2月26日にロイター通信のインタビューにも応じており、延期の可能性について言及した。「日程の再検討が必要となれば」と前置きした上で、2020年内の延期については、欧米のスポーツイベントとスケジュールが重なることから否定的な見解を示し、1年後の2021年に延期される可能性に言及した。

   IOCはパウンド氏の見解をあくまでも私的なものとし、IOCの公式見解ではないとした。日本政府もこれに同調する形でパウンド氏の見解に否定的な姿勢を見せた。2月下旬の時点では、パウンド氏の発言はまだ小さな波に過ぎず、IOC、日本政府、東京五輪組織委員会から「延期」を求める声は見られなかった。

   IOCが通常開催を声高に主張する間も事態は好転の兆しを見せず、ウイルスの感染はアジアから欧米へと広がりを見せた。3月に入ると、海外メディアは次第に東京五輪の通常開催を疑問視する論調へと変化し、「中止」、「延期」の見出しが躍り始めた。通常開催の流れが変わり始めた3月10日、米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(電子版)に組織委員会の高橋治之理事の「延期」発言が掲載された。

   高橋理事は、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のインタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染拡大により今夏の通常開催が不可能な場合、「1年から2年延期するのが最も現実的な選択肢」とコメントした。組織委員会の「身内」から初めて出た「延期発言」は、世界中に発信され大きな衝撃を与えた。高橋理事は以降も日本の各メディアの取材に応じ、自身の意見を発信し続けている。

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