勢いを増す東京五輪「延期」の風 今度はIOC現職委員からも痛烈批判

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   2020年東京五輪の開催の行方に世界中が注目しているなか、国際オリンピック委員会(IOC)のヘーリー・ウィッケンハイザー委員が、自身のツイッター上でIOCを痛烈批判した。

   ウィッケンハイザー委員は2020年3月17日、自身のツイッターを更新し、今夏の通常開催を目指すIOCに対して「鈍感で無責任である」との見解を示した。カナダ出身のウィッケンハイザー委員は、アイスホッケー代表として5度、冬季五輪に出場している。

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「この危機はオリンピックよりも大きい」

   新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ついにIOCの現職委員から批判の声が上がった。ウィッケンハイザー委員は「この危機はオリンピックよりも大きい」と指摘。さらに通常開催に向けて予定通り準備を進めるとの公式声明を出したIOCに対して「このような信念を持って前進することを主張するIOCは、人類の状態を考えると、鈍感で無責任であると思います」と痛烈に批判している。

   また、英国のBBCは3月17日、東京五輪の開催問題に関してスペイン・オリンピック委員会のアレハンドロ・ブランコ会長の意見を報じている。BBCによると、ブランコ会長は「最も重要なことは、選手が練習できないこと」と選手の練習環境が整備されていない現状を指摘し、「選手に準備する機会を十分に与えるため、五輪は延期することが望ましい」と語ったという。

   IOCの現職委員からの痛烈批判、そしてスペイン・オリンピック委員会会長による「延期」発言。開幕を約4カ月後に控え、東京五輪の通常開催を疑問視する声、反発する声は日ごとに増している。日本オリンピック委員会(JOC)からも「延期」を主張する声が上がっており、ここにきて、今夏の「通常開催」から「延期」へと風向きが大きく傾いている。

   新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京五輪の中止、延期の声が上がり始めたのは2月下旬だった。国際オリンピック委員会(IOC)の最古参委員であるディック・パウンド氏が2月25日にAP通信のインタビューを受け、東京五輪が直面するリスクを指摘。パウンド氏は開催可否の判断は遅くとも5月下旬までに行うとの見解を示し、日本での開催が困難ならば中止を検討するだろうと推測した。

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