「職員自らの個性を生かし、所掌分野にとらわれない」
一連の情報発信はツイッター上でも「農水省公式、最近攻めてるようだ」「どこにいても、どんな立場でも、面白いことは出来るのだなあ」といった声があり、にわかに関心が集まっているようだ。
「余剰が出ていることを受け、各作物の原課が業界から話を聞いたところ、積極的に食べたり飲んだり、消費してほしいという声がありましたので、ネットを活用して多角的に発信しています」と話すのは、農水省大臣官房広報評価課広報室の月岡直明氏。YouTube、ツイッター、フェイスブックという大きく3つのチャンネルはそれぞれ違った意識で使っているという。
先述の動画で知名度があがったYouTubeチャンネル「BUZZ MAFF」については、花いっぱいプロジェクト開始に合わせて参画を呼びかけ、積極的に発信を呼びかけている。
「農水省の取り組みなので、農林水産業に関心をもってもらおうという意図はあります。一方で、単純に施策情報だけを発信しても、なかなか興味をもって見てもらえません。我々としてはこのチャンネルは、職員自らの個性を生かす形で、かつ所掌分野にとらわれないやり方をとっています。
たとえば緑茶の情報であれば、直接の担当部局に所属していなくても、お茶が好きでスイーツめぐりをしているといった趣味嗜好を生かせる職員に協力してもらっています。地域別にも、東北農政局なら東北の食材だけで、本来は外国産の食材で作る料理を再現するといった特徴を出すようにしますね」(月岡氏)
江藤拓農水相(59)が19年9月に就任した際、「これからはインターネットでの発信が大事になる。何かできないか」と事務方に投げかけがあったという。農水省のYouTube公式チャンネルは既にあったが、「新たに職員個人の個性やスキルを生かして、性格の違う情報発信をしていこう」と開設。「スタートの時点から自分で考え、どうすれば関心を持ってもらえるかという観点で動画を作っており、今までと違うスタンスでの情報発信になっています。それが今ネットで拡散されるようになってきている」と月岡氏は話す。