農水省「攻めた」ネット発信、広報担当者が明かす戦略 新型コロナに即応、SNSで人気呼ぶ

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   新型コロナウイルスの影響で消費が落ち込む中、牛乳や花卉(かき)類などの利用を促す農林水産省の情報発信が反響を呼んでいる。48万回以上再生され、「シュール」と話題を呼んだYouTubeの動画をはじめ、ツイッター、フェイスブックへの投稿でも拡散。

   内容は、小中高校の一斉休校要請やイベント自粛要請などの影響で需要が下がった花卉(かき)類や牛乳などの消費を呼びかけるもの。農水省大臣官房広報評価課広報室は取材に「世間で話題の事柄に絡めるなど、より見やすく、届きやすくするといったことは意識している」と話す。

  • BUZZ MAFFの動画「農水省から皆様へのお知らせ」より
    BUZZ MAFFの動画「農水省から皆様へのお知らせ」より
  • BUZZ MAFFの動画「農水省から皆様へのお知らせ」より

花、牛乳、給食などの消費促進

   2020年3月に入り、農水省の発信が活発だ。卒業式や送別会などの需要が低下している花卉については6日、消費拡大を図る「花いっぱいプロジェクト」を開始。同省サイトによると、イベント自粛で余剰が生じた生産者と連携し、ホワイトデーの贈答や、家庭・職場での飾り、自治体や関係団体での展示などを呼びかける。

   ウェブサイトに限らずSNS発信も積極的だ。フェイスブックでは12日、職員らがコサージュなどで実際に花を活用している写真を掲載。コミカルで親しみやすい雰囲気となっている。

   ここに登場するのは農水省公式YouTubeチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」のメンバー。同チャンネルは12日に公開した動画「農水省から皆様へのお知らせ」が話題を呼んだ。「花いっぱいプロジェクト」への協力を、2人の職員が淡々とした口調で呼びかけているのだが、ところどころで一瞬画面が切り替わり、戻ってくると花がどんどん増殖。最後には2人の姿がほとんど見えなくなるほど花に囲まれ、1人はなぜかサングラスをかけはじめるという「シュールさ」が反響を集め、約50万回(17日夕時点)再生されるヒットとなった。

   食料についてはツイッターで2日に連投。「食料品は不足していません!」として、新型コロナウイルスの影響で特定の食品が品薄となっている混乱に歯止めをかけようとするメッセージを発信し、7000回リツイート(RT)された。一斉休校に伴う給食の休止で需要が下がったことと受けた、「牛乳乳製品の消費にご協力ください」という呼びかけも2万7000回RT。「ハレの日には国産牛肉を!」として、卒業式や送別会が中止・縮小されても、家庭でのお祝い用に勧めた投稿も2000回RTされた。

   なお16日には、給食関係事業者を支援するさらなる取り組みも。給食休止で在庫が増えた食品の販路拡大を目的に、「食べて応援学校給食キャンペーン」の特設通販サイトがオープンした。サイトは食文化(本社・東京都中央区)が運営する「うまいもんドットコム」で開設し、農水省はサイト運営費や配送料の支援などを行っている。

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