「(申請時)離職や廃業でないと適用できない」見解の自治体も
「住居確保給付金」は、2015年4月から始まった「生活困窮者自立支援制度」の一環の事業で、「離職等により経済的に困窮し、住居喪失者又は住居喪失のおそれのある者」など8支給要件(後述)すべてに該当する「生活困窮者」を対象としている。生活困窮者自立支援法に基づいている。たとえば東京都の場合、「(支援制度は)区市(町村部については東京都)が実施主体となり(略)、各種支援が行われます」(都福祉保健局サイト)。国から一定の補助金が出る。
支給期間は原則3か月で、一定の条件を満たせば最長9か月まで延長できる。支給額は、その上限額や計算式に使う基準額が各地域で異なり、また世帯人数によっても違いがあるため、個別に確認する必要がある。自治体によっては、支給上限額の数字をサイトに載せている所もあるが、バラつきも大きく、混乱を避けるためにここでは例示は行わない。
8支給要件は、先に触れた「離職等により経済的に困窮し、(略)」のほか、「申請日において離職後2年以内(「かつ65歳未満」条件は先述の事情を受け編集部で削除)」、世帯収入額や世帯金融資産の制限、「公共職業安定所(ハローワーク)に求職の申込みをし、誠実かつ熱心に常用就職を目指した求職活動を行うこと」(厚労省作成の自治体事務マニュアル改定版)などで、利用するには全項目に該当する必要がある。
また、要件冒頭で紹介した「離職等」とは、「離職のほか事業を行う個人の当該事業の廃止をいう」(同上マニュアル)とされている。「離職等により経済的に困窮~(略)」という表現を単純に読み取ると、他の7要件には合致し、さらに急な収入の大幅減による「経済的困窮から住居喪失のおそれ」があっても、その困窮理由が「(申請時点での)離職等」でなければ、申請できない様に受け取ることも可能で、実際にそうした理解を示す自治体関係者もいる。
ツイッター(3月上旬)には、自治体担当者から聞いた解説として、現状は仕事に就いていて離職や失業でない場合は適用できないといった見方を示す内容紹介が発信されるなどしており、3月16~17日にJ-CASTニュースが電話で確認した自治体の担当責任者の中にも、現場担当者に確認した上で、ほぼ同様の見解を示す人もいた。