松江市内の飲食店にぎわい...なぜ?
島根県の異例の判断は休校にとどまらない。全国的には「繁華街に閑古鳥が鳴く」との報道が相次いでいるが、内々に、「県内で感染者が出ない限り、送別会等は予定通りに開くように」と指示しているのだ。地方経済において県庁の宴会需要は大きいので維持に努めようということのようだ。松江市内の飲食店に聞いてみると、「大手企業の宴会キャンセルはあるが、確かに県庁はない」との反応だ。筆者は3月、松江市内の比較的規模の大きい飲食店で2回送別会に参加したが、いずれもほぼ満員御礼だった(無論、客は県庁だけではないが)。
安倍首相は国会答弁で休校要請について「専門家の意見をうかがったものではない」と述べた。他方、WHO(世界保健機関)が中国で新型コロナウイルスに感染した5万5924人を調査したところ、18歳以下の感染者は全体の2.4%で、そのうちで重症になったのは2.5%にとどまる。感染した年少者の多くは大人と濃厚接触した人を調べる過程で見つかっており、また子どもから大人に感染した例は確認できなかったとされ、子どもについては家庭内感染が大半を占めるとみられている。
首相の休校要請への評価は今後の精査を待つべきだろう。また今後、島根県内を震源地に感染者が爆発的に増える可能性もゼロではない。それでも、今のところ、学校、保護者、子どもの負担を軽減した丸山知事の判断は県内では高く評価されている。