ポイント還元不正の「セコい」手口 発覚した6000件は「氷山の一角」か

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不正行為の監視は容易ではない

   不正が起きた背景には、ポイント還元制度が法律に基づくものではなく、国の予算措置に基づくものに過ぎないため、不正防止策が十分に整備されていないという事情がある。国は決済事業者に対して、日常的に不正行為の監視を行い、適切な対策を取るように義務付けているが、100万を超える店舗で日々決済される膨大な件数の取引を監視することは容易ではない。前述の店員が立て替える手口も、同じクレジットカードで繰り返して決済された事例を決済事業者が抽出して調べた結果明らかになった模様で、例えば1回だけならば発覚するか疑わしく、6000件弱も氷山の一角である可能性もある。

   ポイント還元制度を巡っては、登録している中小事業者の間に資金繰りの不安も浮上している。中小事業者は日々の売り上げを運転資金として回しているケースが多かったため、ポイント還元制度に登録した結果、実際の売買から決済事業者による入金までに期間があいてしまい、一時的に資金繰りが圧迫されてしまうからだ。各事業者が取引先の金融機関から融資を受けて資金不足をしのいでいる模様だが、国としても政府系金融機関の日本政策金融公庫が低利融資制度を創設して、対応を進めている。

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