比嘉大吾「契約解除」を可能にした、ボクサー「ジム移籍」事情の変革

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新ルール導入で移籍への足かせ外れる

   この他には、移籍に伴う移籍金が問題視されてきた。ジムによっては、選手を練習生時代から育て上げたとして、移籍先のジムに法外な移籍金を求めるケースもあったという。ボクサーのレベルが上がるほど移籍金の額も膨れ上がるため、これまで世界ランカークラスの選手の移籍は現実的ではなかった。これらの問題をクリアできず、移籍できないまま引退を余儀なくされた選手は数多くいた。

    昨年10月、このような業界の慣例にようやく終止符が打たれた。JBCが日本プロボクシング協会にジムと選手の新たな契約制度として「統一契約書」を作成することを義務付けた。これにより、最大3年の契約期間を満了すれば、所属ジムの会長の承諾なしに移籍することが可能となり、移籍金が発生しないシステムとなった。ま た、選手は契約満了日の2か月前から更新を拒否することができ、他のジムとの交渉も自由に行うことができる。

    これまで移籍を希望する選手にとって大きな足かせとなっていたものが外れたことで、よりスムーズに移籍することが可能となったのだ。選手がマネジャーと直接契約する海外とは異なり、独自の「ジム制度」を敷く日本は選手とジムのマネジャーが契約を結ぶ。これまで弱い立場にあった選手は、この新たなルールが導入されたことで、選手一人ひとりの意志が尊重され、より可能性が広がったといえるだろう。

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