森法相「震災で検察官が逃げた」野党時代からの持論だった 一方「定年延長との関係性」には異論も

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「優秀な検察官にはトップで残ってほしい」の意味?

   この予算委ではその後、森氏の別の答弁に移ったが、3月11日の衆院法務委員会で、立憲民主党の山尾志桜里氏が、検察官が震災で逃げたという発言内容は事実かどうかを政府にただした。

   これに対し、森氏は、自民党が野党だった時期に国会質問で同様な発言をしたと明かしたうえで、理由なく逃げたという部分については、「個人の見解だった」と釈明した。そして、この日の参院予算委員会で、森氏は、「不適当なので、発言を撤回する」と表明し、12日には、安倍晋三首相から厳重注意を受けた。

   一方、野党側は、ウソを言って検察を貶めたとして、森氏の辞任などを求め、国会が紛糾している。

   森氏が野党時代にした国会質問を参院公式サイトで検索できる会議録で調べると、福島地検いわき支部が震災直後に「捜査遂行が困難」などの理由で勾留中の容疑者らを処分保留で釈放したことについて、何度も政府の見解をただしていた。

   例えば、森氏は、2011年11月24日の参院法務委員会では、福島県選挙区選出の立場から、「残念ながら、被災地で避難区域に政府が指定をしていないのに国家機関が住民を置き去りにして逃げた、その前提として多くの被疑者を処分保留のまま釈放した」などと当時の平岡秀夫法相に関係者の処分などを求めていた。

   こうした持論を元にした森氏の今回の答弁について、ツイッター上などでは、「その話が検察官の任期延長と何の関係があるんだ」「全然、意味が解らない・・・」などと困惑の声が上がった。森氏が弁護士でもあることから、詭弁とも言える独特の論法なのではないかとの指摘もあった。

   一方で、逃げ出すような検察官もいるから優秀な検察官にはトップとして残ってもらって厳しく指導してほしい、といった意味ではないかなどと推測する向きも出ている。

   発言の意図について、森氏の国会事務所にJ-CASTニュースが12日夕に取材すると、「こちらには何も情報が入っていないので、詳しいことは分かりません。法務省ですかね」と秘書が答えた。そこで、法務省の刑事局総務課に取材したが、国会が紛糾している状況ですぐに回答するのは難しいとのことだった。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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