国民民主党の玉木雄一郎代表は2020年3月11日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう経済対策について、「家計減税なしの経済対策には意味がない」として、一時的に消費税率を5%まで引き下げることも検討すべきだとした。
さらに、仮に東京五輪・パラリンピックの延期の可能性に触れた報道を念頭に、仮に延期されれば「プラス数兆円、予想された需要が蒸発してしまう」として、「経済対策は15兆円ではとてもすまない。20~25兆円、さらに上をいくような規模を組まないと、日本発の世界恐慌が起こってしまうかもしれない」と危機感を示した。
影響長引けば「確実にリーマンショック以上の経済のマイナス」
玉木氏は、内閣府が3月9日に発表した19年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値が、物価変動を除いた実質で前期比1.8%減、年率換算で7.1%減だったことに触れ、
「1~3月でコロナの影響が顕在化してくると思うので、明らかに私は東日本大震災のショックは確実に上回ると思う」
「さらにコロナの影響を含んで(影響が)長引いたときに、確実にリーマンショック以上の経済のマイナスが生じるのではないか」
などと話した。
GDPは「消費」「投資」「政府支出」「純輸出」の4つで構成される。玉木氏は、消費以外の3つの要素について、それぞれ
「需要が縮むときに喜んで投資する人はいない」
「公共事業が典型的な経済対策だが、かなりこれまでに公共事業を積み増している。(中略)一番の問題は人手がいない。海外から人を入れてまでやろうとしていたが、こういう状況なので海外から人が入ってこない」
「中国経済、米国経済がこういう状況で、輸出には期待できない」
として、伸ばすのが難しいことを説明。減税で消費を下支えするしか残されていないとの見方を示した。
「そうなると、家計消費をいかに刺激するか、落ち込まないようにするかが経済対策の中心にならざるを得ない。その意味では、従来から申し上げているとおり、家計の減税、これがマストだと思う。どういうメニューを組むかは別として、その大きな柱は家計減税でなければならないし、家計減税なしの経済対策には意味がないと思う」