無観客開催でも資金は十分だったが...
高体連に属さず、高野連に加盟する高校野球は資金面で恵まれており、大会の運営だけに目を向ければ無観客開催は十分可能だった。甲子園大会の主な収入源は入場料で、主催者である高野連と毎日新聞社によると、昨年の第91回大会の入場料収入は3億2828万1435円だった。この他に394万7949円の物品販売等の収入があり、テレビの放映権料は発生しないため、収入の合計はこの2つを合わせた3億3222万9384円だった。
収入3億3222万9384円に対して、支出は2億4148万8313円だった。最も多い支出となったのが、大会費の1億1277万5019円で、これに出場選手費の5051万2353円が続く。この他には、少年野球振興助成金、日本学生野球協会助成金、全国高校軟式野球選手権助成金、日本中学校体育連盟助成金などの支出がある。なお、会場として使用する甲子園球場は無料で貸し出されているという。
資金面でいえば、昨年の大会だけで約9000万円もの余剰金がある。過去の大会では、高野連と毎日新聞社よると、第90回大会は約5000万円、第89回大会は約4000万円、第88回大会では約7000万円の余剰金があった。今大会が無観客で開催され、3億円前後の入場料収入が得られず、2億円以上の支出があったとしても、これまでの大会の余剰金で補填することが十分可能だった。