岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
予備選候補者をめぐる民主党支持者の本音

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   今、私がいる米南東部フロリダ州ブリバード郡では、トランプ支持者たちが元気だ。2020年3月7日(土)には、町の大通りの両脇にトランプ支持者らが星条旗やプラカードを手にずらりと並び、「4 more years!(あと4年!)」と叫んでいた。行き交う車がクラクションを鳴らし、トランプ支持を表明している。

   その4日前の3月3日「Super Tuesday(スーパー・チューズデー)」に、私はニューヨーク市にいた。スーパー・チューズデーでは14州で一斉に予備選が行われ、大統領選の民主党候補者選びの山場のひとつとなった。この日の結果が、11月の本選挙での民主党候補の選出に大きく影響する。

   既に共和党の大統領候補の座を確実にしているトランプ氏に挑むのは、どの候補なのか。

  • ニューヨーク・マンハッタンのバーで、スーパー・チューズデーの生中継を見る市民たち(2020年3月3日)
    ニューヨーク・マンハッタンのバーで、スーパー・チューズデーの生中継を見る市民たち(2020年3月3日)
  • ニューヨーク・マンハッタンのバーで、スーパー・チューズデーの生中継を見る市民たち(2020年3月3日)

民主党エスタブリッシュメントの焦り

   2016年の大統領戦で、市民の79%が民主党のヒラリー・クリントン氏に投票したニューヨーク市。この街の中心マンハッタンで、候補者に対する思いを聞いた。

   「スーパー・チューズデー」を前にした2月29日、黒人有権者の多い米南東部サウスカロライナ州の民主党予備選で、ジョー・バイデン前副大統領(77)が大勝利した。この日を起点にしてわずか3日間で、バイデン氏は劇的な復活を遂げた。

   バイデン氏の大勝利を受けて、中道派の有力候補が次々と撤退を表明。慈善活動家のトム・ステイヤー氏、初の同性愛者で大統領になれば最年少と期待され健闘していたピート・ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)、エイミー・クロブシャー上院議員(59)が離脱した。

   ブティジェッジ氏とクロブシャー氏はともにバイデン支持を公表。予備選に立候補していたベト・オルーク前下院議員も、バイデン支持を訴えた。こうして、民主党の中道派がバイデン氏に結集する形となった。急進左派のバーニー・サンダース氏(78)の勢いを止めるためには、中道派で票を奪い合ってはいられないという焦りが、民主党エスタブリッシュメントにはあった。

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