新型コロナでホテルが「日本人専用フロア」 予約サイトからは取り下げも...法的にはOK?NG?

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   新型コロナウイルスの感染対策だとして「日本人専用フロア」の宿泊プランを提供した関西地方のあるホテルに、インターネット上で賛否の声があがった。ホテル公式サイトのほか、「楽天トラベル」や「じゃらんネット」といった宿泊予約サイトに掲載していたが、2020年3月9日までにこれらのサイトで同プランは予約できなくなっている。

   楽天トラベルの担当者は取材に対し、「楽天の人種に関するポリシーに反するプランだと判断した」と回答。じゃらんネットの担当者は「該当の宿泊施設の意図を確認し、厳正に対処する」とした。一方、弁護士に法的観点で問題があるかどうかを聞くと、大きく3つの論点を提示。関係し得る条文をあげながら、いずれの条文の趣旨にも「反するとまでは言えない」もしくは「反するものではない」と考えられる、という見解を示した。

  • ホテルのある宿泊プラン、アリなのか(写真はイメージ)
    ホテルのある宿泊プラン、アリなのか(写真はイメージ)
  • ホテルのある宿泊プラン、アリなのか(写真はイメージ)

「区別」として導入と説明

   ホテル公式サイトの「日本人専用フロアプラン」説明欄には「宿泊業として一番多くの質問としての対策としてご用意しました」として、販売の背景をこう書いている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で外出の自粛が広がる中、それでも泊りがけで出かける必要がある人もいるとし、一方で訪日外国人の中にも、日本の感染対策を万全だと思ってない人がいるだろうとする。そうした社会事情を勘案したのが今回のプランで、学生割引や女性専用フロアの存在を引き合いに、「区別」としての日本人専用フロアを作ったという。

   公式サイトの説明によれば、利用条件は日本国籍があることで、パスポート確認をする場合もある。ロビーなど共用部分は分けられない。海外の予約サイトには載せておらず、「苦肉の対策の一環としてご検討いただければと存じます」と提案している。

   利用可能期間は3月1日から4月11日まで。状況によっては延長もありえるという。宿泊予約サイト「楽天トラベル」や「じゃらんネット」でも販売された。

   新型コロナウイルス感染拡大を受け、各地でホテルの利用者が減少。キャンセルも増加し、ホテル業界は苦しい状況が続く。そうした中で販売された同プランだが、ツイッター上では3月8日ごろから、

「人種による区分けをサービスの一環だと?ふざけすぎ」
「宿泊を拒んでいるわけではないから違反にはならない...ってことかな」

などと疑問の声があがった。「差別だ」などとする向きもあるが、一方で、

「見て貰えばわかると思うけど差別の匂いはしないんだよなぁ」
「『外国人と別けろ』と言うのはほとんどの場合日本人の客です。ホテルに文句を言うのは変な話」

と理解を示す声もある。

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