ボクシングのWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(30)=フィリピン=が、WBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(26)=大橋=との王座統一戦を「人生最大の戦い」と位置付けた。
海外の専門サイト「ボクシングシーン」が報じた。井上VSカシメロ戦は、4月25日(日本時間26日)に米ラスベガスで行われる。
ファイトマネーは昨年世界戦の3倍以上
これまで幾度となく井上を挑発してきたカシメロは、「(井上戦は)きっとエキサイティングな試合になるだろう。見逃せない試合になるよ。この試合は俺にとって夢がかなったようなものだ。人生で最大の戦いになる。俺はずっとこの試合を待ち望んでいたし、俺が勝つよ」と意気込みを語っている。
カシメロにとって井上は、プロキャリア最大のビッグネームとなる。当然、ファイトマネーもキャリア最高額が見込まれる。カシメロのプロモーターを務めるジョーン・ギボンズ氏は、今回の井上戦でカシメロが昨年11月のWBO世界バンタム級王座統一戦の3倍以上のファイトマネーを手にすることを明かしている。
人生最大のビッグマッチに備え、今回は戦術面とフィジカル面のスペシャリストがカシメロをサポートする。戦術面においては、スピードと防御を強化するためにアマチュアボクシング界の名伯楽ペドロ・ロケ氏を招へい。ロケ氏はキューバのナショナルチームを指導し、数々の五輪金メダリストを育てた実績を持っている。
「あの試合で井上が犯したミスを探している」
フィジカル面では、肉体改造に定評があるコンディショニングトレーナーのメモ・エレディア氏のサポートを受ける。カシメロは5年前に初めてエレディア氏の指導を受け、昨年のWBO世界バンタム級王座統一戦で再びタッグを組んだ。エレディア氏のサポートは今回が3度目となり、カシメロは全幅の信頼を寄せている。
カシメロ陣営は、昨年11月に行われた井上VSドネア戦を参考にして井上対策を練っている。ドネア戦では2回に右目上をカットするアクシデントに見舞われたこともあり、ドネアの強打をまともに浴びるシーンも見られた。エレディア氏は「あの試合で井上が犯したミスを探している。それに基づいて戦略を進めている。ロケと共に勝つためにトレーニングをしているよ」と、具体的なコメントは避けつつも井上の攻略に自信をのぞかせた。
世界的なトレーナー陣のサポートを受けるカシメロは「ロケはとても優秀なトレーナーで、一段とパワーが上がったよ。ディフェンスも良くなっている」と自信を深めている。カシメロは3月15日に決戦の地ラスベガス入りする予定だが、「マイアミが気に入っているのでベガスには行きたくないな」とジョークを飛ばすほどリラックスしているようだ。