麻生財務相「武漢ウイルスというのが」「武漢ウイルスなるもの」「武漢ウイルスが...」 国会、会見で連発

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   新型コロナウイルスについて、麻生太郎財務相は国会で「『武漢ウイルス』というのが正確な名前だと思う」と述べた。記者会見でも同様の表現を使った。

   新型コロナウイルスについて、麻生太郎財務相は国会で「『武漢ウイルス』というのが正確な名前だと思う」と述べた。記者会見でも同様の表現を使った。

   WHO(世界保健機関)は風評被害を避けるために特定の地名と結び付けないよう、今回の新型コロナウイルス感染症に「COVID-19」という名称をつけた。一方、米国ではポンペオ国務長官が最近、会見などで「武漢ウイルス」との表現を使っている。ウイルス発生源が中国かどうかは結論付けられていない、と主張する中国当局を牽制する狙いがあるとの分析も出ている。

  • 新型コロナウイルス関連で答弁する麻生太郎財務相(画像は参院インターネット審議中継サイトより)
    新型コロナウイルス関連で答弁する麻生太郎財務相(画像は参院インターネット審議中継サイトより)
  • 新型コロナウイルス関連で答弁する麻生太郎財務相(画像は参院インターネット審議中継サイトより)

「武漢発の風邪、肺炎、いろんな表現があるんですけど...」とも

   2020年3月10日の参院財政金融委員会で、麻生財務相は数回にわたり「武漢ウイルス」に言及した。中国の湖北省武漢市は、感染の「震源地」として知られる都市だ。麻生氏は与野党の議員からの質問に対する複数の答弁の中で、

「今回は武漢発のウイルスの話で、新型とか付いてるが、『武漢ウイルス』というのが正確な名前だと思うんですが、この武漢ウイルスなるものが出てきて...(略)」
「この武漢ウイルスなるものの影響、持続がどれくらいヨーロッパやアメリカに広まっていくか全く見通しがつかないのが...(略)」
「この武漢ウイルスが内外の経済に与える影響については、十分に注意する必要があろうかと思いますが...(略)」

と述べた。一方で他の表現を使った答弁もあり、

「武漢発の風邪、肺炎、いろんな表現があるんですけど...(略)」
「今般のウイルス...(略)」

といった具合だ。

   10日の閣議後の記者会見でも、「武漢ウイルス」発言が出た。「追加経済対策は『武漢ウイルス』終息次第 リーマン級の景気悪化とはいえず 麻生財務相」(産経新聞、10日ウェブ版)の記事によると、麻生氏は追加経済対策について「『武漢ウイルス』(の感染拡大)がいつ切れるのか、よく見極めた上でないとなんともいえない」と述べた。

産経も前日に「武漢コロナ呼称広がる」

   一方で、前日9日にあった参院予算委員会の麻生氏答弁は、参院インターネット審議中継動画で確認できた範囲では、

「今般の新型ウイルス感染症につきましては...(略)」
「コロナウイルスの話は...(略)」

との表現を使っていた。

   麻生氏答弁との関係は不明だが、米国でもポンペオ国務長官が5日(現地時間)の記者会見で「武漢ウイルス」と発言し、6日の米ニュース専門放送局CNBCとのインタビューでも「武漢ウイルス」「武漢コロナウイルス」との表現を使った。CNBCインタビュー内容を報じた7日のテレビ朝日(ウェブ版)記事では、「ウイルスの発生源について『必ずしも中国とは限らない』との主張を強める中国政府を牽制しました」と分析している。

   また産経新聞の9日付朝刊(東京最終版、総合5面)では、「『武漢コロナ』呼称広がる 米メディア 中国起源を明確化」との見出し記事が掲載されている。

   一方、中国外務省の趙立堅報道官は4日の会見で、米国の一部メディアが新型コロナを「中国ウイルス」と呼んでいるとして反発を示した。TBS系(JNN)記事(ウェブ版、4日夜)によると、「極めて無責任で、私たちはこれに断固反対する」と述べ、ウイルス発生源についても「研究中で結論が出ていない」と主張した。

   10日には、中国の習近平国家主席が、新型コロナ問題発生後初めて武漢を訪問したと中国国営の新華社通信が報じた。感染封じ込めが奏功していることを示す狙いがあるとみられている。

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