ピン芸人の日本一を決める「R-1ぐらんぷり2020」の決勝が2020年3月8日に行われ、その様子がフジテレビ系で生放送された。
大会ではお笑いコンビ「マヂカルラブリー」の野田クリスタルさん(33)が優勝し、第18回となる同大会の王者に輝いたが、それと同時に大きな話題となったのが、同大会が新型コロナウイルス感染拡大の影響で、初めて無観客での決勝となったこと。番組放送開始の際にはスタジオ内が無観客であることを伝えるべく客席部分が映し出されるなど、異例尽くしの大会となった。
「観客がいないとこんなもんなの?ってくらい静か」
番組では出場者らのネタ披露が始まると、時折、スタジオ内にいるスタッフのものと思われる笑い声が響く瞬間があったが、それ以外は静まり返った状況での真剣勝負に。出場者がギャグを放った瞬間以外は静まり返っているという、観客を入れた状態では考えられない静寂の中での決戦という初めての事態となった「R-1ぐらんぷり」だったが、その評価を見るべくネット上を見渡してみると、実にさまざまな感想が上がっているのが特徴だ。
あるツイッターアカウントは、「R-1ぐらんぷり2020優勝 野田クリスタルトロフィー すごおもろいなーw そして静かな大会だった」と、大会を総括。また、別のアカウントは「お笑いのコンテストで無観客...緊張感はいつも以上にあったかもしれないけど静かなぶん上手く間が取れなくてテンポが崩れてしまった芸人さんは多かったんじゃないかなぁと思います」と、苦戦した出場者が多かったのではないかと分析。さらには、「観客がいないとこんなもんなの?ってくらい静かなR-1だったような気がする」と、その静かさに圧倒されたとしている。
2019年は「笑い声が過剰」とのツイート相次ぐ
これらの声が上がるなど、無観客の長所と短所が垣間見えたとも言える今回の「R-1ぐらんぷり」だったが、その1年前の同大会では、「観客」という存在が別の意味で注目されていたのだ。
というのも、2019年の放送では、観客席から時折、「アヒャヒャヒャ!」といった悲鳴にも似た笑い声が噴出。さらには、「ヒャー!」「ヒェー!」など、笑いすぎによって発生する明らかな悲鳴が上がる瞬間もあり、ネット上にはこれらの「騒音」に対する視聴者からの苦情が続々。さらには、違和感を覚えたとする声は芸能人からも上がり、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさん(27)がツイッターで、「お笑い番組で悲鳴ださないでほしいなあ」と、R-1を指しているとみられるツイートを行ったほか、「ダウンタウン」の松本人志さん(56)が、「R-1の客。。。」とボソリとつぶやくなど、観客席からの笑い声が過剰であったとするツイートが相次いだ。
翻って、前回とは真逆の環境となった「R-1ぐらんぷり」。無観客での放送となったことには前述のもののほかにも、「観客の過剰な笑い声がなくて見やすい上に『静かな所で何してんだろ』というシュール面白が乗っかって、今までで一番面白かったかも」とする声も上がるなど、新たな見せ方が見つかったとするも声も出ており、その感想を述べる声は放送終了から1日近くたった今も上がり続けている。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)