今後も対立は必至
これまで同社の調査で不備が見つかった物件は、全体の約8割に当たる2万9923棟に上る。このうち、耐火性など「明らかな施工不良」が見つかったのが1万3587棟で、安全性の点から改修工事を急がなくてはならないが、2020年1月末時点で改修に着手したのは4440棟、実際に完了したのは942棟に過ぎない。
レノはこの点について、今回の臨時株主総会で「当初計画から1年以上の遅延という信じがたいスケジュールだ。施工不備問題について、信頼できる明確なゴールが示されていない」などと、経営陣を批判。「事業の分割、再編も視野に入れた企業価値の最大化」を求めた。
レオパレスは「解体型買収の実現によって、レノは自己の利益を追求する可能性がある」と主張。レノの介入が再建へのマイナスになることを懸念した株主の支持をひとまず得た形だ。しかし、施工不良物件の改修が遅れているのは紛れもない事実で、この点に質問が及ぶとレオパレス経営陣の歯切れは悪い。同社は臨時株主総会を何とか乗り切ったが、6月の定時株主総会に向け、レノとの対立が続くのは間違いない。