特急「ひたち」全線再開の意味 震災前は「分割」計画も...東京と「つなぐ」象徴へ

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「異例」の長距離特急復活

   長距離を走る在来線の特急は、途中駅で系統を分割して運行距離の短距離化を進めるのが全国的な傾向である。新潟~秋田間の特急「いなほ」は、もとは新潟~青森間で運行する列車もあったが、10年12月のダイヤ改正で青森~秋田間は「つがる」に分割された。大阪~名古屋~長野を直通運転していた「しなの9・16号」は16年3月の改正で大阪~名古屋間が廃止になった。

   これら長距離の特急の運行区間が短縮されたため、今回運転を再開する品川~仙台間の「ひたち」の約379㎞が本州最長距離を走る昼行特急になった。長い編成の列車を長距離走らせるよりも、短い編成の列車を短距離で運用した方が効率がいいという傾向の中で、東京から仙台まで10両編成で走る「ひたち」は異例の運用である。震災前はいわきで系統を分割する計画だったのを常磐線全線の通し運転としたことも、震災から沿線の完全復旧の象徴も込められているだろう。

   新ダイヤの概要発表前の19年7月に、JR東日本は東京~仙台の直通特急を常磐線復旧と共に運転すると発表し、E657系を2編成20両新造。同社の意気込みがうかがえる。

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