再稼働する最初のBWRは「女川2号機」か 時期左右する「地元との関係」

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最大の難関は地元の同意だが...

   ただ、今回の安全審査の先にはテロ対策費も待ち受ける。3400億円の枠外で、テロ対策に必要な「緊急時制御室」は、原子炉が攻撃されても遠隔操作で核燃料を冷やし続けられる機能が求められる。さらに、原子炉から十分離れた所に施設を整備できない場合、航空機を衝突させるテロ攻撃にも耐えられる頑丈さが必要。過去に再稼働した原発を見ると、その費用は数百億円から2000億円超になるという。2号機が再稼働できれば、火力発電の燃料費などを年間約350億円削減できると見込まれ、安全対策、テロ対策の費用を賄えるはずだが、トラブルなど予期せぬ出費がかさむ懸念は拭えない。

   何より、再稼働への最大の難関が地元自治体の同意だ。

   事前同意が必要なのは宮城県と、立地自治体である女川町と石巻市。原発5~30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)にある他の5市町については県が意見を聞き、東北電に伝えることになる。

   女川町の須田善明町長は「ニュートラル」、石巻市の亀山紘市長は「議会の意見なども聞きながら判断する」などと述べている。村井嘉浩知事は審査合格を受け、「現時点では白紙」としたうえで、6月の県議会での議論や市町村、県民向けの説明会の意見などを踏まえて判断する考えだが、UPZ内では美里町が再稼働反対を明言、他の自治体でも、避難計画について、必要な要員確保や高齢者施設など要支援者への対応などに不安の声があり、村井知事がどのように意見を集約していくかがポイントになる。

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