医師「厚労省の『ちゃんとやってます』感が強い」
確かに厚労省は2月25日、各都道府県に対し、医療用マスクの優先供給を要請する文書を出している。限られた数しかないだけに、供給を受けるにはいくつか条件があるが、前提として「当面の間、感染症指定医療機関又は帰国者・接触者外来医療機関を対象とする」という点がある。
「スキームを作ったのはいいが、大半の医療機関には行き渡りません。どこも慢性的にマスク不足です」。上本町わたなべクリニック(大阪市)の渡邊章範院長は6日、J-CASTニュースの取材に現場の実態をそう明かす。
「日本のマスクはほとんどが中国工場からの輸入でしたので、そもそも数が増えません。私も卸業者に問い合わせていますが、商品もなく入荷の見込みもないとのことです。結局、厚労省がマスク供給のスキームを作っても、肝心の生産体制が整っていない。
日本の医療施設は全部で17万以上あります。感染症指定医療機関の総数は約800機関で、割合としては少ない。そのうえ、68の感染症指定医療機関に約18.8万枚をまず供給したと言われても、厚労省の『ちゃんとやってます』感が強いんです。テレビ番組の発言に対してツイートするなら、メーカーとの協議を進めてほしいです」