新型コロナウイルスの感染を防止しようと、政府が注意を呼びかけた場所やイベントのリストに「パチンコ」が含まれていないことに、ネット上で疑問の声も相次いでいる。
「屋内の閉鎖的な空間」として、真っ先に候補になるのではないかというもので、名前が挙がらない理由について、様々な憶測も出ているほどだ。
岩田健太郎教授「『若者世代』にも説得力がない」
「専門家会議の声明は合理性を欠く」。クルーズ船感染の告発で論議を呼んだ岩田健太郎神戸大学教授は2020年3月4日、ツイッターでこう強く批判した。
政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、「一人の感染者が複数人に感染させた事例」として、次のような報告を厚労省サイト上で行った。
「ライブハウス、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テント等」
こうした屋内の閉鎖的な空間では、人と人との距離が近く、長い時間一緒にいることで、患者集団「クラスター」が発生する可能性があり、次のクラスターを生んで感染拡大を招くという。
さらに、感染が広がる北海道では、閉鎖的な場所やイベントとして、「ライブハウス、カラオケボックス、クラブ、立食パーティー、自宅での大人数での飲み会など」を挙げた。
最後に、10~30代の若者に対し、症状が軽いことで感染を広めてしまう可能性があるとして、こうした場所にできるだけ行かないよう呼びかけている。
岩田教授は、この専門家会議の声明について、前出のように見解を述べ、その証左として、「ライブやカラオケは駄目で、パチンコはスルー」だとした。娯楽の規模は、パチンコの方が桁違いに大きいことから、「『若者世代』にも説得力がない」というのだ。