中国・武漢の御用新聞『長江日報』 新型コロナ報道で買った市民の反感

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日本からの支援メッセージ批判に市民も反感

   中国にマスクなどを支援した日本に対して、この支援物資に書かれた長屋王の四言絶句「山川異域、風月同天」は非常に中国人の心を打った。一般社団法人・日本青少年育成協会(本部・東京都新宿区)が1月31日、中国・北京の事務局経由で、湖北省にある湖北高校へ支援物資を送った際に書かれたメッセージだ。

   これは1300年前、当時の有力な日本の皇族・長屋王によって詠まれた漢詩で、「山河は違えど、同じ風が吹き、同じ月を見る」という意味だ。鑑真和尚がそれを読んで日本に行く決心をしたといわれ、中国人は今日でもそれを読んで日本からの暖かい気持ちを非常に感じる。

   しかし、『長江日報』は違った。2月12日の同社の論評記事はこんなタイトルだった。

「風月同天と武漢頑張れ、アウシュビッツの後、詩を書くことは残忍」

   趣旨は、武漢はこんな悲惨な毎日を送っているなか、何が「風月同天」か、武漢頑張れしか受け入れられない、というものだった。

   武漢在住の作家、方方氏は、13日に「長江日報に感謝する。これほどみんなが快く批判し、罵るチャンスはない」というタイトルで書いた日記を公開した。方方氏は、加えて

「(2月7日に)李文亮医師が亡くなり、上海の新聞さえトップページで彼を追悼したが、あなたたち(長江日報)は李医師の病院から一尺の距離もないのに、あなたたちはどんな紙面を作ったか。武漢人としてはいずれそれを検証するが、心の中では我慢している。ほかについては批判できないが、あなたたちのこの報道にはいくら罵ってもいいのよ」

と書いた。

   『長江日報』は、地方紙による地方権力へのごますり、情報隠蔽の協力、的外れの報道の典型といえる。

   2月13日に湖北省書記と武漢市書記はともに罷免され、その後、同紙の紙面は変わり、3月以降、全中国からこのような注目を受けなくなっている。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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