厚生労働省のツイッターアカウントが2020年3月5日朝、前日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)の番組名に言及した上で、医療機関へのマスクの供給状況に関する報道内容に反応した。
番組内で「まずは医療機関に配らなければだめ」などのコメントがあったとして、現状の対応を説明した上で「引き続き、マスクの増産や全ての医療機関を対象とした優先供給を進めてまいります」としている。
「(日本医師会などの)ルートを活用した優先配布の仕組みをお知らせしています」
厚労省のツイッターアカウントは3月5日、
「3月4日午前8時からの『羽鳥慎一モーニングショー』の出演者から、『まずは医療機関に配らなければだめ。医療を守らなければ治療ができないから、医療機関、特に呼吸器関係をやっている人に重点的に配っていく 』とのコメントがありました」
「厚生労働省では、感染症指定医療機関への医療用マスクの優先供給を行ったほか、都道府県の備蓄用マスクの活用や日本医師会や日本歯科医師会のルートを活用した優先配布の仕組みをお知らせしています」
「最終的に全ての医療機関に十分なマスクが届くことが必要であり、引き続き、マスクの増産や全ての医療機関を対象とした優先供給を進めてまいります」
と投稿を3連投した。厚労省は2月25日、「メーカーと卸業者が協力して、医療機関の必要度に応じて、一定量の医療用マスクを優先的に供給する仕組みを作った」と公表していた。
3月4日放送の同番組では、医療機関でマスクが不足していることを現場の声を紹介しながら報じた。さらに、政府が法律に基づいて業界団体を通じてマスクメーカーに400万枚の売り渡しを指示し、感染が特に広がっている北海道の2自治体に先行配給することを決めたことなどについて、コメンテーターの玉川徹氏らが「なぜ北海道なのか」と批判的に論じていた。そしてコメンテーターの岡田晴恵・白鴎大学特任教授が、
「まずは医療機関に配らなきゃ駄目です。皆さん、マスクが欲しいのはごもっともなんですけれど、医療を守らなければ治療ができないから、医療機関、特に呼吸器関係をやっている人に重点的に配っていく必要がある」
とコメントしていた。
備蓄マスクを「とっとと出して下さい」
厚労省がツイッターで言及した3月5日朝も、「羽鳥慎一モーニングショー」はマスクの供給状況について報じていた。国が各省庁で備蓄するマスクは約743万枚にのぼるが、これをなぜ緊急用に供給しないのかという森裕子議員(国民民主党)の質問に対し、「医療機関や国民に放出するための備蓄ではなく、各省庁で必要な枚数を備蓄している」という安倍晋三首相の答弁を伝えた。岡田教授はこれにも「今、指定病院でもマスクはないわけです。このマスクは『N95』かどうか定かでありませんけど、とっとと医療機関に出して下さい」とコメントしていた。