巨人、「激化」のはずの外国人枠争いだが... 新2投手不調で盛り上がり今一つ

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   プロ野球の巨人のヘラルド・パーラ外野手(32)が2020年3月3日、札幌ドームで行われた対日ハム戦で緊急交代した。

   パーラは「5番・右翼」でスタメンに名を連ねたものの、打席に入ることなく1回裏に交代した。首の左側に違和感を覚えたため大事を取った。原辰徳監督(61)は「たいしことはない」と説明し、今後は当日の様子を見ながら出場の可否を決める。

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サンチェスのオープン戦防御率は「15.75」

   パーラはここまでオープン戦4試合に出場し、12打数4安打、打率.333を残している。一発はそれほど期待できないが、ミートがうまく選球眼にも定評がある。その一方で、膝に不安を抱えており、練習、試合後のケアは欠かせないという。3日に緊急交代した際にはネット上のG党から膝を負傷したのではないかとの憶測が飛び交い、パーラを心配する声が相次いだ。

   膝の不安と向き合いながら一応の結果を出しているパーラだが、新加入の外国人2投手の調子が上がらない。先発ローテーションの一角として期待されるエンジェル・サンチェス投手(30)は、実戦デビューとなった2月24日の広島戦で1回5安打5失点と炎上。29日のヤクルト戦では6回から3イニングを投げ4安打2失点だった。ヤクルト戦では最速154キロをマークするも、オープン戦の防御率は15.75と、結果を出せずにいる。

   中継ぎとして期待されるチアゴ・ビエイラ投手(27)はオープン戦で多くの課題を残している。29日のヤクルト戦で9回のマウンドに上がったビエイラは、1回2失点と精彩を欠いた。最速167キロを誇る剛腕だが、制球とクイックに難があり、試行錯誤の状態にある。特にランナーを背負った時の投球は不安定で、課題を克服するのにしばらく時間がかかりそうだ。

   昨シーズン、クローザーとして巨人のリーグ優勝に貢献したルビー・デラロサ投手(30)もエンジンのかかりが悪い。3月1日のヤクルト戦の2番手として登板し、1回4安打2失点と打ち込まれた。昨シーズンは、シーズン途中からチームに加入し、中川皓太投手(26)に代わって守護神として活躍。今シーズンもクローザーとしてチームの期待は大きく、勝利の方程式に組み込まれている。

気を吐くモタの奮闘

   昨シーズン、先発ローテーションの一角として8勝をマークしたC.Cメルセデス投手(25)は、大きく出遅れている。左肘の違和感により宮崎キャンプを離脱し、リハビリ調整が続いている。2月下旬にはブルペン入りしたものの、いまだ実践登板はない。早ければ3月中旬にも実践マウンドに上がる見通しだが、今シーズンは開幕ローテーション入りが期待されていただけにチームにとっては痛手となる。

   外国人選手の中で最も元気がいいのが、育成から支配下を勝ち取ったイスラエル・モタ外野手(24)だ。オープン戦では7試合に出場して27打数8安打、打率.296をマーク。荒削りなところはあるものの、気持ちの入ったハッスルプレーが首脳陣から評価され、レギュラーの座を射止めそうな勢いだ。支配下契約の発表会見では大粒の涙を流して喜びをかみしめ、大きな話題を呼んだ。

   今シーズン、原監督は外国人4枠の起用を「投手2」、「野手2」で想定しているとみられる。現時点で野手に関してはパーラ、モタで埋まり、問題は投手の2枠をいかにして活用するか。現時点でデラロサは確定的だが、調子の上がらないサンチェス、ビエイラは今後の出来次第といったところか。また、メルセデスは開幕に間に合うか不透明だ。

   昨オフ、外国人選手が大量離脱したことで、原監督主導のもと外国人補強に注力し、現役メジャーリーガー、韓国リーグ17勝投手の獲得に成功。これにデラロサ、メルセデスらがからんで今年は外国人枠を巡る激しい争いが想定されたが、いざふたを開けてみれば支配下を勝ち取ったばかりのモタの奮闘ばかりが目につく。今後、シーズンに向けて巨人の外国人枠争いはどのような展開をみせるのか。プロ野球の公式戦は3月20日に開幕を迎える。

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