マスクやトイレットペーパーなどの高額転売について、怒った消費者らがメルカリなどで出品者らと非難の応酬をする事態になっている。
メルカリも、対策に乗り出しており、これらの出品のうち、1000円超のものは姿を消していることが分かった。
「感染しないよう代理購入」などと説明があったが...
トイレットペーパーが30ロールで5555円――。ある転売者は2020年3月2日、「入手困難」だとして、こんな価格でメルカリに出品したものの、メルカリの事務局から「不適切」だと判断されて、再び出品を削除させられたとツイッターで明かした。
転売に怒ったユーザーから、メルカリサイトのコメント欄などで攻撃も受けていたという。さらに、ツイートによると、メルカリからは、度重なる規約違反があったとして、「無期限の利用制限」をされ、今後の利用ができなくなった。
この転売者は、消費者が小売店を回れば新型コロナウイルスに感染する恐れがあるため、代理購入して転売で手数料を取っていると主張しており、クレームを入れてくるユーザーを「正義マン」などと呼んで揶揄し、ネット上で話題を呼ぶこととなった。
メルカリでは、これまでも、高額転売を巡ってトラブルになっている。
別の転売者は2月上旬、マスク3000枚弱を送料込み7万5000円で出品したが、怒った消費者からコメント欄で次々に非難を浴びる騒ぎになった。この転売者は、需要が多かったため自分のマスクを犠牲にして売っているだけだと反論し、誹謗中傷を止めるように訴え、書き込みを次々に削除していた。
最近は、感染予防とは直接関わりのないトイレットペーパーなども品薄となり、こうした商品を出品するユーザーには、コメント欄に非難の書き込みが次々寄せられ、「つるし上げ」に遭う事態となっている。転売をストップしようとメルカリにデマへの注意喚起の「出品」をするケースも相次いでいる。ツイッターなどでは、「自警団」と評する向きもある。
控えていたトイレットペーパーの制限、追記に加える
メルカリも、マスクなど感染予防用品の高額転売への対策に乗り出しており、2月4日の公式ブログでは、「社会通念上適切な範囲での出品」を呼びかけ、転売者の取引状況によっては、入手経路の確認や出品の削除・利用制限も行うと明らかにした。
同27日には、消毒用アルコールなども削除や制限などの対象にするとブログで明かした。トイレットペーパーなどの入手困難も社会問題になったが、翌28日のブログでは、「現在のところ、一連の報道にありますトイレットペーパーやティッシュペーパーの取引が著しく増えたという事実はございません」と説明した。
その後は、トイレットペーパーなどについては、社会通念上適切な範囲での出品への協力要請に留まっていた。
しかし、これらの高額転売もネットで批判が高まったこともあってか、このブログに3月3日になって、次の内容を追記した。
「現在の状況に鑑み、トイレットペーパー・ティッシュペーパーについても入手経路の確認や商品の削除・利用制限等の対象とさせていただきました。また、著しく高額で出品された商品につきましては、削除対象とさせていただきます。引き続き、ご理解とご協力のほどお願いいたします」
転売者らが出品を分散している可能性はあるものの、3日夕現在、マスクやトイレットペーパーなどを価格の高い順に検索すると、1000円を超える出品が姿を消している。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)