新型コロナ→牛乳余り→古代食「蘇」を作り始める令和のネット民 「奈良時代かよ」

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   牛乳を材料に、古代日本の乳製品「蘇」を作るネットユーザーが現れ始めた。

   新型コロナウイルスの感染拡大に伴う小中高校の休校で牛乳が余る上に売れなくなると、酪農家が廃業のピンチに陥るという噂が広がり、牛乳を買って協力したいというトレンドの影響で、このムーブメントが始まった。

  • 1000年ぶりに「蘇」人気が復活?
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「牛乳を煮るだけ」から工夫をこらす

   「蘇」とは飛鳥時代から平安時代頃まで作られていたと推定される古代日本の乳製品である。ポピュラーな食べ物ではなく主に貴族階級の嗜好品だったと考えられている。実際にどのような食べ物だったかは諸説あるが、平安時代の法令文書「延喜式」(927年)に概要が記録されており、「作蘇之法 乳大一斗 煎得蘇大一升」、現代語に訳すと、乳一斗を煮詰めると蘇一升が得られる、と簡潔に書いてある。

   牛乳を煮詰めるという大まかな製法から、調味料を加えるなど調理を工夫して蘇を作ってみるネットユーザーたち。「牛乳をフライパンで弱火で煮詰める」「砂糖や塩を混ぜる」など作り方を工夫し、食べてみたり保存食にするなどしている。

   新型コロナウイルスに端を発したブームであり「疫病が流行った上に蘇を作るなんて奈良時代か」と突っ込みながらも、楽しみながらブームに乗っている様子である。

「貴族の食べ物」たる所以を実感

   味の方は「チーズのよう」「(不二家の)ミルキーみたい」「甘さを控えたミルクケーキ」といったもので、チーズ・ヨーグルトなど海外発祥の乳製品ともちょっと異なる味わいになることが多いようだ。蘇だけをそのまま食べる人だけでなく、ハチミツ、コショウなどで味付けしてお菓子のように食べるユーザーも現れている。

   ただ、長時間牛乳を煮て作るというシンプルな作り方だが、最低でも1時間前後は煮詰めないと固形状にならないようで、その間はキッチンから目が離せない。「ガス代が気になる」「こんなに時間がかかるなんて、さすが貴族の食べ物」という感想もあった。

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