春のセンバツ「無観客」でも懸念多数 長距離の移動、開会式は600人超も

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   新型コロナウイルスの感染拡大を受け、第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕・甲子園球場)の大会運営委員会が2020年3月4日、行われる。

   主催者である日本高野連と毎日新聞社は現在、大会運営について検討を重ねており、4日の大会運営委員会で今後の方向性が示される見通し。政府の休校要請もあり、野球以外の高校選抜大会は2日までに18競技が中止となっており、選抜大会の開催可否に大きな注目が集まっている。

  • 甲子園球場
    甲子園球場
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遠方の選手は長時間の移動余儀なく

   現状、通常開催は困難な状況にあり、主催者の選択肢は大会の中止もしくは、無観客での開催だろう。主催者が無観客開催を決断した場合、クリアすべき問題は多い。そのひとつに出場校の選手たちの移動手段がある。北海道代表は主催者から航空運賃が支給されるため空路での移動となるが、その他の地域の代表は鉄道、バスでの移動が見込まれる。いずれにしても選手たちは数時間にわたって密閉された空間での移動を余儀なくされる。

   また、開会式の問題も浮上する。19日に予定される開会式には32校の代表が甲子園球場に一堂に会す。1校につき18人の選手がおり、選手だけでも576人が一カ所に集結する。これに加えて、開会式には審判団や大会関係者らが参列する。さらにテレビ中継を行うスタッフならびに多くの報道陣が詰めかけ、無観客で開催しても少なくとも600人以上がグランドに足を踏み入れる。

   政府は2月26日に今後2週間の大規模イベントの自粛を要請した。会場規模、集客数など大規模にあたる明確な線引きはなく、約200人が参加した東京マラソンは大規模にあたらないとして予定通り3月1日に大会を開催された。選抜大会は19日に開幕するため、政府が要請した「今後2週間」の範囲に当たらないものの、3月中に予定していた野球以外の高校選抜大会の中止は日ごと増えている。

「緊急事態宣言」の北海道からも2校が出場

   新型コロナウイルスの感染拡大は収束する気配が見られず、政府の要請を受けて2日から全国の多くの小中高校が臨時休校に入った。北海道では2月28日に鈴木直道知事が「緊急事態宣言」を出し、道民に対して外出を控えるよう呼び掛けた。北海道からは、白樺学園と21世紀枠の帯広農高の出場が決まっており、大会が中止されなければ13日に大阪市内で行われる組み合わせ抽選会に参加する。

   高校スポーツのみならず、プロスポーツも新型コロナウイルスの感染拡大によって深刻な状況に追いやられている。オープン戦72試合を無観客開催としたプロ野球では、3月20日の公式戦開幕が危ぶまれ、サッカーのJリーグでは試合を延期する処置をとった。日本プロスポーツ界の危機的状況に、日本野球機構(NPB)と日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は「新型コロナウイルス対策連絡会議」を設立し、競技の垣根を越えてタッグを組んだ。

   政府の大規模イベントの自粛要請、休校要請、そして北海道の「緊急事態宣言」。8日からは選抜大会出場校の練習試合が解禁されるが、対戦相手の学校が活動できない状態にあるため練習試合をキャンセルした学校もあるという。アマチュア、プロに限らず多くのスポーツイベントが延期、中止されるなか、選抜大会の主催者はいかなる決断を下すのか。最終決断の時は迫っている。

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